建てるまでの道のり注文住宅パーフェクトガイド

家づくりではやらなければいけないことがたくさんあります。
こちらのコーナーでは家づくりの流れに沿いながら、注文住宅を建てるにあたって知っておくべき予備知識や準備等をシリーズでお届けします。

家づくり計画(土地購入・資金計画・地盤調査)

第7回

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地盤調査と地盤改良工事について

敷地の地盤条件は、地震対策をはじめ、家づくりの計画全体に影響する大切な要素です。この章では、土地を購入・登記後に必ず行いたい地盤調査と地盤改良工事についてお伝えします。

地盤調査が必要な理由

建築家・吉村紳さんの作品事例 図書館のある家

安心して末永く暮らすために、地盤調査は必要になりつつある。写真は建築家・吉村紳さん作品事例「図書館のある家」

ひと昔前はそれほどでもありませんでしたが、最近では地盤調査を行う風潮が根づいています。とくに震災以降そのニーズは高まっており、さまざまな専門業者が地盤調査を行っています。また、購入した敷地が軟弱地盤だった場合、あらかじめ対策をとっておかないと、住宅の重みで家が沈んだり傾いたりという重体な自体を招くこともあり、大きな地震の際にもリスクは高くなります。また、後から行う補強工事のほうが、費用がかかることもあります。
注文住宅をあらたに建設する場合、土地の状態を把握しておかないと、地盤への負担を軽減するために、建物自体の予算を削る必要が生じたり、階数や構造に制限がでてくることがあります。購入前に必ず履歴を調べ、計画前には必ず専門業者に地盤調査を依頼しましょう。

この土地の地盤は? 自身で調べる方法

1.土地の履歴から調べる

一般的に軟弱地盤リスクが高いとされる土地は以下の5つです。

  • 河川や海の近くなどの低地
  • 水害の多い地域
  • 砂質地盤
  • 埋立地
  • 傾斜地の盛土部分

一見、上の条件にあてはまらない土地でも、以前は川や沼があったり、含水率の高い軟弱地盤ということがあります。自治体や都市計画図などで土地の履歴を調べたり、近隣の方に聞いてみるのもよいでしょう。地名に、沼、谷、窪などの文字を含む場合は、要注意。登記簿の「地目」の欄に田・畑と記載されている場合も、通用よりも軟弱な地盤であることが想定されます。

2.エリア全体の土地情報を調べる

インターネットを利用してエリア単位で地盤の傾向を把握し、自治体で発行しているハザードマップで確認しましょう。

国土交通省の「ハザードマップ」
国土交通省の「ハザードマップ」
市区町村が公表しているハザードマップ情報を検索でき、「土地条件図」から「扇状地」「人工地盤」などの地形と状態から、そのエリアの地盤状態を推測することができます。
「GEODAS(地形で見る軟弱地盤マップ)」
「GEODAS(地形で見る軟弱地盤マップ)」
地盤調査を行った結果を閲覧できる。良好地盤と診断された場所、軟弱地盤と診断された場所、地盤補強工事をした場所などがマップ上で確認できます。

planner’s voice 建築家からひとこと

地盤調査の
ニーズの高まり

当事務所は大阪に構えていることもありますが、阪神大震災以降、地盤調査を行うケースが徐々に増えていきます。地盤や土地に不安のあるお施主様はとりあえず、不安を解消するためにやっておくか、という感じになることが多いと思います。 地盤が軟弱だと、どんなに建物の耐震等級をあげても効果は低減します。また建物が建ちあがってからよりも、新築時にいっしょにやるほうが費用を抑えることができるのでぜひ計画前に行うことをおすすめします。

建築家・北野彰作さん
建築家・北野彰作さん

ちなみに当事務所の調査結果では、2~3割が「改良工事が必要」であり、まったく必要ないも同様に2~3割という結果です。残りの5~6割については、お施主様に改良工事を行うと建物の予算を削らなくてはならないため、しっかりとお打合せをしたうえで改良工事を行うかどうかのご判断いただいております。

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