第9回
オープンハウス・モデルハウス等の見学をしよう
依頼先を検討する段階で必ず行いたいのが、実際の建物を見学するということ。パンフレットやウェブサイトではわかりにくい建物の性能や暮らしやすさなどはもちろん、その会社の社風や対応力なども確認ができるので、ぜひ足を運ぶようにしましょう。vol.9では、オープンハウス・モデルハウス等の見学と実績、アフターサービス、保証の確認について解説します。
オープンハウスとモデルハウスの違い
住宅の設計の依頼先の候補がいくつか絞り込めたら、設計や施工の傾向、会社の対応力などを把握するうえで見学をしたい「オープンハウス」と「モデルハウス」。オープンハウスでは住まい手がいる実際の住まいを見学できるのに対し、モデルハウスは、全国に点在の住宅展示場に各ハウスメーカーが出展をし、そこでさまざまなラインナップを比較検討できるというメリットがあります。同じハウスメーカーでも、各展示場に出展している商品（建物）が異なりますあので、あらかじめ見学前に出展している商品のラインナップのチェックをお忘れなく。
オープンハウス入場時マナー
建築家（設計事務所）が主催するオープンハウスは、モデルハウスと違い、個人の建て主さんのご厚意により開催されるものです。モデルハウスと同じ感覚では建て主さんに迷惑をかけてしまうこともあります。
建具や壁は直に触ることは極力避け、小さなお子さんを連れての見学もなるべく控えるようにしましょう。建て主さんにはしっかりとご挨拶を。また駐車場が用意されているわけではないので、交通機関についても事前に下調べを行うようにしましょう。
1.オープンハウスとは
オープンハウスとは、建築家（設計事務所）や工務店がその建物の建て主さんのご厚意により、引き渡し前に見学会を開催し、建物の良さ、設えの良さなどを実際体感してもらうためのものです。オープンハウスの情報は、通常プライバシー保護の観点から詳細情報が告知されることはありませんが、設計事務所や工務店のウェブサイトやブログなどに開催を告知しますので、気になる建築家（設計事務所）や工務店のウェブサイトをチェックしておくとよいでしょう。
また、一度お問い合わせをした会社からは、しばしば案内が届くこともありますので、近場で日程の調整が可能であれば参加してみましょう。いろいろな住まいを見学するのはご自身の住まいづくりの上でも有意義なものになるはずです。
2.ハウスメーカーのモデルハウス
モデルハウスとは、全国に点在する住宅展示場に各ハウスメーカーが出展をし、自社ブランドやシリーズを体感いただくために用意をしたものです。一度にさまざまなハウスメーカーのモデルハウスを見学できるので、商品、社風、対応力などさまざまな面を比較検討がしやすいというメリットがあります。ただし、あくまで住まい手のいない商品なので、建物自体が大きかったり、土地も整っていたりと、若干現実感に欠けるという印象を受ける方も多いようです。 そのような方のために最近では期間限定で公開される「街中型モデルハウス」やハウスメーカー主催の「完成現場見学会」なども開催されるようになりました。狭小地、住宅密集地など、その土地の状況に応じたプランが確認できるので、可能であれば参加を。
オープンハウスのメリット
ぜひミセス目線の導線を確認していただきたいです
みゆう設計室では定期的にオープンハウスを開催しています。一番のメリットは、やはりは建て主様の暮らし方に合わせた空間や素材感を体感していただけること。特にキッチンや 水回りの家事動線、片付けやすさ、家事のしやすさなどは、写真よりも実際に体感していただくことが大切かと思います。見学に来られた方に「とてもいいですね！」というお言葉も数多くいただいております。
建築家・中川由紀子さん
みゆう設計室では定期的にオープンハウスを開催している。写真はその時のもの。
みゆう設計室は将来も含めた暮らし方をともに考え、家族の距離感なども意識しながら設計をしていますので、その家族でしかつくり得ない空間を設計しています。自分たちらしい家をつくりたい人こそ、オープンハウスに参加し、さまざまな家と暮らしを見て、オリジナルの家づくりを探求してみたらよいのではないかと思います。
同じ家はこの世の中にふたつとないので、「便利だな」「素敵だな」と感じたことをメモやリストアップしておくと、自分たちの家づくりの際に、その要素を盛り込むこともできるかと思います。また、女性建築家ならではの「家事の仕方に合わせたデザイン」というのも得意としておりますので、自分の家事の仕方との比較などもチェックしてもらえるといいなと思っています。
また、状況が合えばオープンハウス以外でも過去に設計したお住まいを見学することも可能です。図面や模型上ではわかりにくい素材感や収納の工夫などは体感してもらうのが一番良いと思います。お時間があれば、ぜひ参加して、ご自身の家づくりのヒントにしていただければと思います。
