建てるまでの道のり注文住宅パーフェクトガイド

家づくりではやらなければいけないことがたくさんあります。
こちらのコーナーでは家づくりの流れに沿いながら、注文住宅を建てるにあたって知っておくべき予備知識や準備等をシリーズでお届けします。

家づくり計画(土地購入・資金計画・地盤調査)

第11回

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ラフプランを詰める

設計監理契約を結んだら、いよいよ本格的にプランを詰める段階(基本設計)に入ります。その第一歩を基本設計といい、そちらを詰めながら、間取り・仕様・設備などの取り決め、実施設計(次回)に移ります。前編ではラフプランを詰めていく方法を、後半では、ショールームの活用法をお伝えします。

ラフプランを詰めよう

建築家・高橋昇一さんの作品事例 清須市の家

いよいよラフプランを詰める段階となりました。写真は建築家・高橋昇一さん作品事例「清須市の家」

設計監理契約前に、提案を受けたラフプランを元に、本格的なプラン作成に入ります。設計担当(建築家)と打ち合わせを重ね、間取り、デザインをひとつひとつ詰めていきます。通常この期間は設計担当(建築家)との家づくりの場合、おおよそ半年程度はみておいたほうがよいでしょう。修正したい箇所や付け加えたい要望などはきちんともらさず伝えるようにしましょう。
内容がほぼ固まったら、配置図・立面図・平面図などからなる基本設計図書がつくられます。この基本設計図書ができあがる以降に、依頼主からの大きな変更依頼などが入ると、追加で設計料がかかる場合がありますので、スケジュールについては前もってしっかり把握しながら、ラフプランを詰めていくことが大切です。また、要望が多岐にわたると、構造や仕様、予算により、すべてをかなえることができないことも多々あります。ご家族で優先順位を決め、ご家族の中で意見が分かれないよう、しっかりと家族会議を行うことも肝要です。
ラフプランが具体的になるにつれ、予算も現実的なものになってきますので、優先順位はとても大切になってきます。

打ち合わせ内容は必ずメモを取っておくこと

通常は2週間に1回程度でラフプランを詰めていきます。設計事務所にもよりますが、打ち合わせ以外にも、メールや電話などを活用するケースが増えてきているようです。
打ち合わせでは、前回の打ち合わせ時に依頼された内容を元に、設計担当(建築家)が修正を加え、打ち合わせを重ねますが、打ち合わせで決まったことや次回までに決めなくてはならないものなど、きちんとメモをとっておきましょう。万が一打ち合わせや依頼内容と違うものがあがってきた場合、そのようなメモは非常に有効になります。

「全体から居室、仕様」という流れで決めていきましょう

はじめにプラン全体を見直し、そのあとにリビングやキッチン、パブリック、最後に建材や設備を決めていきます。
リビングやキッチンなどの水まわりを取り決める際は、広さに無駄がないか、採光や通風、プライバシーに配慮がなされているかなどをしっかりと見極め、続いて、各居室についてはおのおの家族がどのように過ごすのか、平日、休日などさまざまなケースで捉え、家全体の中での位置や広さなどを決めていきます。

planner’s voice 建築家からひとこと

初回面談からラフプラン作成までの流れ

契約して、いよいよ基本設計のはじまり。ここからは設計者からの一方的な提案ではなく、お施主様の思いをたくさんお聞きしながらイメージを広げ、かつ具体化していく楽しい時間です。なるべく堅いCAD図面でなく、手描きのスケッチや図面と模型を使いながら一緒に考えていくようにしています。お互いに体力が要りますね。
設計事務所によっては、ファーストプラン時に模型をつくるところもあるようですが、当事務所では、基本設計がはじまってからつくりはじめます。模型は周辺模型から入ります。実はこれだと「よくわからない」と言われるのがほとんど。ですが周囲の環境を一度冷静に知るのはとても大事なことです。できれば模型を眺めて、また周辺を一緒に歩いて、といった過程を大事にして考えを一つにしていきたいものです。
並行して進めるのが設備や仕上げなどの仕様。家づくりの時間はあっという間。早めにショールームをまわっておくと心のゆとりが持てそうです。自分で選びたいという方には、お施主様の生活スタイルを理解した上でのサポートや建築全体との調和など、黒子的な立場でお付き合いさせていただいています。毎年新しくなる膨大な情報の世界ですが、選ぶポイントはそんなに変わりはありません。
システムキッチンやバスルームを見る楽しさとはちがいますが、照明のシミュレーションルーム、電気配線、給湯器など、裏方的なコーナーも一度見ておかれると、後で図面や見積書を見たり現場に入ってから、大変役に立ちます。
こだわればこだわるほど大変な思いもする家づくり。苦楽を共にしながら、いつか楽しい思い出になっていただければと思います。

建築家・田代智子さん
建築家・田代智子さん

建築家・田代智子さんのプランと模型

建築家・田代智子さんが実際につくられたラフプランと模型。なるべく手描きのスケッチや図面と模型を使いながら一緒に考えていくようにしているのだとか。

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