建てるまでの道のり注文住宅パーフェクトガイド

家づくりではやらなければいけないことがたくさんあります。
こちらのコーナーでは家づくりの流れに沿いながら、注文住宅を建てるにあたって知っておくべき予備知識や準備等をシリーズでお届けします。

家づくり計画(土地購入・資金計画・地盤調査)

第4回

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土地価格の目安を知る・法規制を学ぶ

土地がなければ注文住宅を建設することはできません。住まいのイメージづくりと同時に行っておきたいのが、土地探しです。vol.4では、土地価格の目安と、法規制について取り上げます。

土地価格の目安を知る方法

建築家・中原賢二さんの作品事例 Ashiya Blanc

土地探しの第一歩は、建てたいエリアの相場を知ることからはじまる。写真は建築家・中原賢二さん作品事例「Ashiya Blanc」

折り込みチラシやウェブサイトなど、私達は売り出し中の土地に関する情報をさまざまなツールを使って知ることができます。「この土地なら予算内でおさまりそうだ」と思っても、それが果たして正しい相場なのでしょうか。また、土地の予算は漠然と決めるのではなく、希望エリアの地価相場を知ることからはじめましょう。

1.土地の予算を決める

予算的にいくらかけられるかを把握し、住宅の建設予算とあわせて検討します。土地の購入時には、仲介手数料(土地価格の3%+6万円に消費税)がかかります。

2.建てたいエリアの相場を知る

建てたいエリアの相場を調べましょう。新居に必要な面積の土地が、予算的に購入可能かどうかを調べます。その方法はおもに2つあります。
ひとつ目は、国が毎年1月に発表する公示価格です。国土交通省の土地総合情報ライブラリーより調べることができ、また、所在地の市区町村に問い合わせることも可能です。
ふたつ目は、相続税の路線価を参考にする方法です。どのエリアの価格が高いかなど、見比べることができます。相続税の路線価は国税庁のウェブサイトからも検索ができ、最寄りの税務署でも閲覧することができます。
ただし、角地などの道路接道状況や敷地の形、面積によって、実際流通している土地価格と評価額が異なってきます。

国土交通省ウェブサイト
国土交通省の土地総合情報ライブリー
土地の価格や相場以外にも土地に関するさまざまな情報を検索することができる。
国税庁の
国税庁のウェブサイト
国税庁のウェブサイトでは、相続税による路線価を知ることができる。

土地価格の目安を知る目的は、「お買い得」な土地を探すためではなく、新居を建てるエリア選びのためのものさしとするためのもの。相場を把握したうえで、納得できる土地を選びましょう。

planner’s voice 建築家からひとこと

土地探しにおける
代表的な立地条件とメリット・デメリットとは

土地探しは建築と同じぐらい、場合によっては建築以上に重要な要素です。最近ではインターネットの発達により、不動産会社を渡り歩かなくとも気軽に自宅で物件探しを行うことができるようになりました。しかし接する情報が増えた分、選択肢が多すぎて一つの土地に絞り込むことができない、情報によって書いてある事がまちまちで一体何が正しいのか分からない、という悩みも聞かれるようになりました。

建築家・山本嘉寛さん
建築家・山本嘉寛さん

建築家・山本嘉寛さんの作品事例

建築家・山本嘉寛さんの作品事例・「niu」。

まずは氾濫する情報に流されるのではなく、自分たちにとってどういう土地が理想なのか、条件と優先順位を整理することが大切です。職場や学校、親類の家といった日常生活を行う上でのアクセス性はもちろん重要ですが、今後数十年間の生活拠点となる事を思えば、特定の場所への利便性は少し犠牲にして、日当たりが良い・眺めが良い・静かで緑が豊か、といった住環境を求めたほうが良い場合もあるでしょう。

代表的な立地条件とメリット・デメリット

【都市の密集市街地】
・メリット:交通の便がよい。工事を依頼できる建築士や建設会社が多い。ライフラインが完備されており引き込み工事が容易。
・デメリット:土地の単価が高い。プライバシーや採光・通風を確保しにくい。外壁や窓の防火性能を上げる必要がある。

【郊外の分譲地】
・メリット:造成済で建築を計画しやすい。新たな入居者が多く近所付き合いを構築しやすい。
・デメリット:建築条件付であることが多い。造成費用が上乗せされ土地代が割高になることがある。

【地方の売土地や、宅地以外】
・メリット:自然が豊か。土地の単価が安い。緑や地形を生かした自由な計画が可能。
・デメリット:ライフラインの整備が不十分で引き込み工事費が割高。造成費用が大きくかかる場合がある。工事を依頼できる建築士や建設会社が少ない。交通の便が悪い。すでに存在する地域コミュニティに入っていく必要がある。

物件の情報については、不動産会社の資料を100%鵜呑みにするのではなく、建築の専門家である建築士に相談して法規制のチェックや現地調査を依頼するほうが安心です。建築にあたっては建ぺい率・容積率といった代表的な規定以外にも様々な制限があり、物件資料ではそれらが網羅されていない場合があります。また地盤の状況や境界杭の有無など、土地を購入する前に敷地の調査を行うことができれば建築を計画する段階での思わぬ出費を避けることができます。

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