第14回
工事の見積りをとろう
実施設計図書の確認を終えたら、工事を行う工務店、施工会社より見積りをとります。基本的には特命(工事会社を1社に絞り込んでいる場合)でない場合は、2~3社から相見積りをとります。前編では、見積り依頼のタイミングと見積りのベースとなる項目を、後編では建築家・渡辺ガクさんに工事の見積りについて、設計者の立場からアドバイスいただきました。
見積り依頼のタイミング
設計と施工の両方を行うハウスメーカーや工務店と、施工を別途分離発注する設計事務所では、家づくりの流れが異なります。下図が家づくりの流れに沿った見積りを依頼するタイミングとなります。
建築家・設計事務所に依頼する場合は、まずラフプランの段階で「概算見積り」を、実施設計図書が完成した段階で本見積りを取ります。その際2~3社に相見積りをとるのが一般的です。
一般的な見積り・・・工種別見積り
設計事務所・建築家との家づくりは、工事については別途工務店と分離発注という形で建て主側で契約を結びます。工種別見積りは、一般的な見積りで、工事の種類ごとに内訳を記載したもの。項目ひとつひとつをチェックし、疑問があれば、工務店、設計担当の建築家などにも確認をしましょう。
見積りの内容を理解しないまま契約をし、途中で設計に大きな変更が必要になったりすると、当初の予算をオーバーしたり、支払についてのトラブルに発展することもありうるのです。
また相見積りは、価格を比較するだけではなく、会社の規模や工事の種類、材料の選定などにより見積り金額は変わってくるという認識でみるようにしましょう。
ハウスメーカーの見積り・・・部位別見積り
ハウスメーカーの場合は、躯体や屋根、建具などの部位別に見積りが出される部位見積りか、標準仕様一式「○△○円」などの選んだ仕様やプランで一式ででてくることが多いようです。また、メーカーによって工法も仕様も異なるため、メーカー同士を比較検討しにくいという問題があります。また、ハウスメーカーや工務店の規模は業態も多様化しており、工事の請負契約後に詳細を打ち合わせして行うケースなどもあり、下図の流れにあてはまらないこともあります。