間取りとは
住まいの核となるのは、リビング(L)・ダイニング(D)・キッチン(K)です。この3つは、つながり方によってまったく性格が異なってきます。間取りを考える際にもこのスペースが重要なポイントとなってきます。
1.家事動線について
家事動線というのは家事をしやすくするための間取りの中に生かされた動線。キッチンと洗面室、浴室、トイレなどの水廻りを指す家事動線は、ダイレクトにつなげたり、回遊できるようにすることで、家事効率がぐんとあがります。
2.子育て中の家族に向く間取りについて
小さな赤ちゃんがいるお宅であれば、畳スペースをリビングに隣接させるなど、おむつ替えをしやすくする配慮が必要です。小学生以上のお子様がいるお宅では、家族のコミュニケーションが図りやすいよう、回遊動線を設けて家の中で、元気に動き回れるような遊び心があってもよいでしょう。また、家の中のどこにいても、お子様の様子が確認できるような吹き抜けやスキップフロアなどの採用を検討してみてはいかがでしょうか。まだお子様が小さい家庭の場合や、性別が異なるご兄弟の場合など、将来の子供部屋をわけられるように将来を見据えたプランニングも必要です。
3.収納について
多くの方が求められる「収納力」。モノがすっきりと収められた住まいは理想です。しかし大容量の収納スペースがあったとしても、果たして使い勝手がよいのでしょうか。「奥行きがありすぎて手が届かない」「とりあえず大きな季節家電をしまっておく」など、モノを隠すだけの収納になってしまうこともあるようです。収納を考えるときは、「どこ」に「なに」を収納するかを家族で話し合ってから考えてみるとよいでしょう。
これから紹介する間取りと写真は、建築家・山岡良匡さんの注文住宅作品の事例です。こちらのアドバイスを参考になさってください。
- ワンルーム仕様で広さを演出する
- LDKに畳スペースやデスクコーナーを設置することで、個室に籠るのではなく、パブリックスペースに家族皆が集まる住まいに。敷地が狭い場合などは、仕切りをなくすことで、通常よりも広さを感じることができます。ソファなどの大きな家具を設置せずに、畳で「床座」するスタイルもよいかもしれません。
1LDK仕様の間取り拡大図
- ウッドデッキ(テラス)を設置して広さを享受
- 家族が一番長い時間すごすLDKにウッドデッキ(テラス)を設置することで、リビングの延長上にデッキが広がるため、視覚的にさらに広さを感じることができます。設けるのであれば、採光や風通しのよい南側・東側に配置を。
ウッドデッキを設置した間取り拡大図
- コンパクトに水廻りをまとめた間取り
- 狭小地や縦長の敷地などは、水廻りをダイレクトな線で結ぶと、掃除などのお手入れはもちろん、無駄なスペースがありません。来客が多いお宅の場合は、トイレなどはもうひとつ設置する必要があります。
コンパクトな水廻り採用の間取り拡大図
- 愛犬のためのプラン
- 室内犬を飼っている場合は、消臭効果と愛犬の足に負担がかからないよう工夫されたペット対応の床材の採用を。この間取りは、2階にリビングを設置、デッキとリビングを回遊できるようにして、ミニドッグラン風に仕上げています。
愛犬のためのプラン拡大図
- スタディコーナーを設置した間取り
- 子供室をなるべく小さくとり、デスクコーナーを設けました。吹き抜けに面しているので、1階にいるご両親から、お子様たちの気配を感じることができるプランです。
スタディコーナーを設置した間取り拡大図
家族皆が快適に暮らすために、将来を見据えた間取りをしっかりと検討しましょう。