構造・工法を検討する
住宅の構造には大きくわけて木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造(RC造)にわけられます。それらの工法にはメリットとデメリットがあり、工期やコストにも違いがあります。それぞれの工法の特徴を知って、適切な選択をしたいところです。
建築設計事務所や工務店に依頼する場合、会社によって、すべての工法に対応できるところと、一定の工法のみしか対応できないところがあります。
また、依頼先が住宅メーカーとなる場合、構造や工法はあらかじめ決まっている場合がほとんどなので、メーカーの選択の際には、デザインや機能性ばかりではなく、構造や工法にもしっかりと目を向けましょう。
1.木造は在来軸組工法とツーバイフォーが主流
多くの一般住宅に採用されている工法です。ログハウスなどの丸太組工法も木造に含まれます。
- 在来軸組工法
- 基礎、柱、梁で建物の骨組みをつくる一般的な工法。筋かいという斜め材を配置することで、地震や台風などの風害に耐えることができる。間取りの自由度が高く、リフォームなどもしやすいのが特徴。また、日本の高温多湿な風土にも適している。
- ツーバイフォー(2×4)工法
- 2×4インチの木材の枠に構造用合板を釘打したパネルを箱のように組み立てるため、パネルが耐力壁となり、地震に強く、気密性にも優れている。施工がしやすいため、工期が短いのも特徴です。
2.鉄骨造は重量鉄骨造と軽量鉄骨造のふたつにわけられます
一般的な住宅で採用されるのは軽量鉄骨造ですが、高層や大規模空間には重量鉄骨造が適しています。どちらも工場で加工した鋼材を現場で組み立てるため、鉄筋コンクリート造に比べて短い工期で済むのが特徴です。
- 軽量鉄骨造
- 在来軸組工法のように柱と梁と筋かいで支える構造で、部材の精度が高く、安定しているため、ハウスメーカーのプレハブ住宅などで採用される工法。
- 重量鉄骨造
- 軽量鉄骨よりも強靭な鉄骨で柱と梁を構成。クレーンなどの大型機器を使って組み立てるため、一般の住宅には不向きな工法です。
3.鉄筋コンクリート造は、ラーメン構造と壁式構造が主流
引っ張りに強い鉄筋と圧縮に強いコンクリートが一体になって建物を支える非常に堅牢な構造。耐震性や耐火性、耐久性にも優れる反面、鉄骨造に比べ、工期が長く、コストも高めです。
- 鉄筋コンクリート造<ラーメン構造>
- 柱と梁による強靭な構造で、大きな開口部や自由な間仕切りが可能。室内に大きく柱や梁が露出するデメリットも。ラーメンとはドイツ語で部材の接点を剛に接合した骨組のことをいう。
- 鉄筋コンクリート造<壁式構造>
- 鉄筋コンクリートの壁よって建物を支えるあため、柱や梁がなくすっきりとした空間に。ただし、壁の面を確保するために、大空間にできないなどの間取りの制限や、リフォーム等にも間仕切の変更等も限られている。
構造・工法によりコストや工期はもちろん、間取りの自由度がかわってきますので、代表的なものをあらかじめ知って、ご自身の希望に合う工法を選びましょう。