設計業務委託契約、工事監理業務、工事請負契約について
ラフプランの提案内容と概算見積もりに納得いただき、建築家(設計事務所)に依頼することが決まれば、設計業務委託契約(設計契約)を結び、ラフプランを詳細につめ、本設計に進みます。
まず、本シリーズの第8回のおさらいになりますが、建築家(設計事務所)との家づくりは、建築家が設計を行い、施工は別途工事請負契約を結んだ工務店・施工会社が行う「完全分離発注」となります。工事が設計図書通りに行われているかをチェックする工事監理業務についても、建築家(設計事務所)に委託するのが一般的です。
1.重要事項説明を受ける
重要事項説明とは、2008年に新たにスタートした建築士制度により、設計事務所は契約前に必ず契約内容に係わる法令事項を含む重要事項について、お施主様に説明をし、記載内容の書面を交付することが義務化されたものです。契約前に必ず建築家から重要事項説明を受けます。設計業務の範囲、監理の方法、業務に携わる建築士、報酬の支払いの時期、契約の解除方法についてです。また、契約内容外の工事が必要になる場合の、期間や派生する費用についても話し合い、その結果を元に契約を交わします。契約締結後は手付金として、報酬の一部を支払います。
2.設計・監理業務委託契約書をかわす
正式に設計を依頼する場合の契約書。工事の監理業務とあわせて依頼をします。万が一のときの約束ごとや対処法などがきちんと明記されているかなど、確認をしましょう。
建築家(設計事務所)との家づくりのポイント
設計料について
工事費とは別に、設計・監理費用として、工事費の10~20%を建築家にお支払します。支払時期は設計事務所ごとに異なりますが、通常、「設計契約時」「基本設計が完了したとき」「実施計画が完了したとき」「工事の中間時期」「引き渡し」のタイミングで、5回、もしくは3回にわけて総費用を分割してお支払します。また計画地が遠方の場合は、現地への交通費なども負担をします。
建築家との家づくりにおいての、図面をつくってしまったあとの建築家はなにをするのでしょうか。ここでは、工事全般にわたり、建築家が工事全体にかかわってくることをわかりやすく解説します。
着工前に、工務店を建て主と一緒に選定
- ・施工会社への見積もり依頼。
- ・見積書のチェック。疑問があれば建築家、工務店に確認しましょう。
- ・施工会社の選定を建築家とともに行います。
- ・工事請負契約の立ち合い、工事請負契約書のチェック。
工事着工後の建築家の仕事
- ・施工計画書に目を通し、モレがないか確認
- ・第三者の立場で設計図書に沿って工事が行われているかのチェックを現場で適宜行う。
- ・監理報告書を作成し、建て主に提出
- ・各種検査、引き渡しの立ち合いなどをとりしきる。