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NPO法人 マンション再生法 提言で全国集会 「100年居住」を現実に 関係団体など集結

2011年3月16日掲載

NPO法人全国マンション管理組合連合会(東京都千代田区)が3月9日、「マンション再生法制定をめざす全国集会」を都内で開いた。同連合会会員のほか、高層住宅管理業協会、日本マンション学会など関係団体の会員ら120人以上が出席。各党の国会議員も駆け付け、会場は満席となった。

86年に設立された同連合会には、現時点で19団体の3191管理組合が加盟している。10年5月に「マンション再生法(仮称)」制定の提言を発表し、要望活動を始めた。再生について、「主要な構造躯体を残しつつ部分的な改良、設備の更新をすることで、その時代の住生活ニーズに合わせること」と定義。大規模修繕を繰り返しつつ再生を行い、100年以上住み続けられるマンションを普及させるのが目的だ。 当日は、同連合会の山本育三・省エネ再生委員が法の主旨を説明した。まず、現状の住宅政策について、「住生活基本計画でストック重視を掲げてはいるものの、一定水準を満たした新築住宅の保全に偏っている」と指摘。既存住宅数が世帯数を大きく上回る状況下で、「これ以上新築供給を進めるべきではない。540万戸を超える既存マンションの長寿命化を目指すほうが、環境面でも経済面でもはるかに効果を期待できる」と話した。一方、すべての既存マンションがそのままの状態で長期使用に耐え得るわけではなく、また、時代ごとに変わる住環境ニーズへ適合させる観点からも、「再生」という新しい選択肢を確立する必要性を強調した。 また、提言では、再生基準や議決要件など法の具体的な内容を提案している。現行法との整合性にも言及し、特に区分所有法に関しては条項の改正や新設を要望。例えば、建物の減築を行う際、現状では同法に対象条項がないため、民法に依拠することになる。その結果『全員合意』が必要になり、合意形成が困難な事態が生じていることなどが根拠だ。「少なくとも、建て替え決議要件より緩くする必要がある」としている。 国会議員や関係団体会長らによる意見表明では、「区分所有法の建て替え決議要件緩和に向けた議論がなされているが、『終の棲家(すみか)』と決めている居住者を、無理な決議要件で追い出すことがあっていいのか」(中村哲治・参院議員)、「建て替え成功例の多くは、容積率に余裕があり立地条件に恵まれていた。現実には既存不適格や資金難といった問題を抱えるマンションも多く、厳しい」(大口善徳・衆院議員)など、建て替えに代わる手段として再生に賛同する声が挙がった。一方、「国が先導する形で、民間企業も改修技術の開発に力を入れるべき」(大口氏)、「(改修は)1級建築士として積む経験とは違う技術が求められることから、『1級改修建築士』の資格制度を作ってはどうか」(NPO法人リニューアル技術開発協会・須山清記名誉会長)など、技術面から今後の課題を指摘する意見もあった。 また、建物診断設計事業協同組合の山口実理事長は、「管理・改修業を含めて、この業界はリーマン・ショックの影響がほとんどなかった。潜在的需要を引き出すことができれば、雇用や経済環境の改善に貢献できる」と明るい展望を語った。
【リフォーム・リノベーション】

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