建築家・ナイトウタカシさんのブログ「家の当たり前を考え直してみる(雑談①)」
家の当たり前を考え直してみる(雑談①)
2025/03/26 更新
ここ最近は、家の中にある、いろんな当たり前
について、お話しています。
ずいぶんと長いシリーズになってしまったので、
ここらで、少しブレイクタイムにしようと思います。
この「当たり前」シリーズ。
これから家づくりをされる方々にとって、
考えるきっかけになってるようで
いろいろとメッセージをいただいています。
参考にしていただけて、ありがたいですね。
何かを見直して、新しくすることって、
最初はストレスになってしまうかもしれないのですが、
長い目で見ると、その方にとっては最適最善な暮らし方に
つながっていくんだと思います。
そもそも。
なぜ、そんなことを考えようと思ったのか。
そんなお話をしようかなと思います。
最初は。
この業界に入って、修行中の設計事務所で、
賃貸マンションをよく設計していたんですよね。
企画でいえば、年間300棟以上で、ほぼ毎日。
設計や工事は、私だけで年間で10棟以上ありました。
そのマンションって。。
間取りは金太郎あめみたいに、どこも似たような感じ。
違うのは、大きさとか外観のちょっとしたデザインくらい。
外観デザインはさておき。
間取りは特殊な内容を求められることはありません。
特殊な間取りにすることで、入居者が付かない
ということになると、すごくリスクになるためです。
つまり。
賃貸マンションとかアパートって、似通っていることが
当たり前だったんですよね。(今もそうですけど)
どこかで見たことあるような間取りに、
自分たちの暮らしを合わせるという感じですよね。
もっと個性があってもいいんじゃない?
って思っていたんですよね。
その反動か、注文住宅の設計を始めてからは、
暮らす方の個性を最優先し、家に暮らしを合わせるのでなく
暮らしに家を合わせてつくるという考え方になりました。
そのスタンスを続けながら、いろんな方々の暮らし方を
知っていったら、暮らし方って千差万別なんだなって
思うに至りました。
そのプロセスの中に、「当たり前を疑う」という問いが
自然と生まれたんですよね。
丁寧にヒアリングしていくと、いわゆる「普通」な
間取りやカタチでない方が、その方に最適と思うことが
多くなっていきました。
どこかで見た間取りを参考にしながら家を考える際、
なんとなくの違和感に気が付くといいのですが、
そうでもないと、実は最適じゃないカタチになったり
していることもあったりしますから。。
住まう方の個性をしっかりと引き出してくれる
設計士さんとの出会いは大事かもしれませんね。
そうそう。
もう一つ、「当たり前シリーズ」を書くに至った
きっかけがあるので、明日はその話です。