建築家・ナイトウタカシさんのブログ「家の当たり前を考え直してみる㉜(家具①)」
家の当たり前を考え直してみる㉜(家具①)
2025/03/18 更新
先日から続いてる、少し変わったお話。
よく考えてみると、家って、いろんな当たり前を
積み重ねてできているんですよね。
その当たり前を外してみると、自由な家づくりになる
なんてこともありますから。
昨日まで、洗面脱衣についてお話しました。
いかがでしたでしょうか?
改めて考えてみると、いろんな選択肢が
ありそうだなと思っていただけたと思います。
さてさて。
今日は、また違う場所のお話。
場所ではなくて、家具というパーツについて。
ただ、家具といっても。。
家具屋さんで購入する家具というよりは、
建築工事で用意する、造作家具のことになります。
家具屋さんで見かける量産品の家具であれば、
「一般的に」よくある機能を持たせた、
「標準な」サイズや使い勝手を実現した、
「万人に」好まれるものですよね。
それとは違って、造作家具は。
完全にオリジナルだし、自由な発想をもとに
製作できるのが魅力です。
例えばですけど。。
家事スペースに造り付けで家具を造るとします。
どんな家事をするのか、どういう使い方をするかで
いろんなパターンがあり得るのですが。。
仮に、そこで洗濯物に関わることをする場合。
服を折りたたむためのカウンターがあると便利です。
では。
そのカウンターの高さや奥行はどうしますか?
立ったまま畳む場合と、座って畳む場合とでは
高さの設定が違いますよね。
それに。
そもそも、折りたたむ人の身長によっても、
最適な高さが異なります。
さらに。
服を畳むだけでなく、アイロン掛けをするのであれば。
アイロンを収納する棚をどこに作ると便利か。
アイロン台をどこに収納するといいのか。
立ってするのか座ってするのか。
アイロンがけした服をどうしておきたいのか。
等など。。
洗濯に関係することに対して、いくつかの動作があって、
自分のやり方や体形に合わせた最適があるはずです。
造作家具であれば、それを一つずつ組み合わせながら
それ相応に工夫した家具にすることができます。
量産品の場合は、その家具に合わせるしかないのですが、
造作家具であれば、動作に合わせて家具をつくります。
こういう家具があるから、こうする。
ではなく。
こうしたいから、こういう家具をつくる。
そういうスタイルって、どう思いますか??
長くなったので、明日に続きます。