建築家・ナイトウタカシさんのブログ「スタイルを固定しないスタイル③」
スタイルを固定しないスタイル③
2025/01/27 更新
先日、新しいお客様とお話していた時
話題になったことについてお話してます。
設計事務所やデザイン系の工務店は、
デザインのスタイルを持ってることが多い
のですが、弊社は特に固定していない。
では。なぜスタイルを固定しないのか?
そんな問いかけに対する返答をする。
今日は、そこからですね。
実は。
独立当初は、ミニマルなデザインを
自社のスタイルとして固定していました。
間取りやヴォリュームは違えど、
出来上がる外観デザインやインテリアは、
スッキリとした白さが印象的な感じでした。
その当時は、それが美しいと思っていたし、
どのお客様に対しても、そのスタイルで
提案をしていました。
そもそも、そういうスタイルを持つことが
建築家としてあるべき姿という風潮もあって、
私もそれに倣っていた感じです。
でも。
独立して5年ほど経過したころに転機が
訪れるんですよね。
知り合いの経営者たちに、問いかけられます。
「何のために家づくりをしてるの?」
って。。
そりゃ、お客様のためでしょう。
お客様の家なんだからって答えてたのですが。。
根掘り葉掘り聞かれていくうちに。。
お客様のためでなく、自分のために家づくりを
しているのではないか?と思ったんです。
求められたとはいえ、自分の好みを押し付けて、
自己表現をすることが目的になっていたなと。
お客様が大金を使って、お客様が求める
理想の暮らしを手に入れるために家をつくる。
それをどう実現していいのかわからないから、
プロとして寄り添いながら、伴奏しながら
夢の実現をサポートする。
それが私の目的なんだと行き着きました。
おそらく、自分のスタイルを保持しながら
サポートはできるとは思います。
でも。それを突き詰めて考えた結果、
自己表現でなくお客様の言葉にならない想いを
引き出して、カタチとして表現することが
私のできることなんだと思いました。
そこからは、いろんなデザインスタイルに
挑戦しながら、お客様とともにつくりあげる
そんなスタイルで家づくりをしています。
スタイルを固定しないからといって、
中途半端なデザインをすることはありません。
しっかりと突き詰めて考えています。
少しアツく語り過ぎました(笑)
でも。
このスタイルがお客様にとっていいと
思ったことが何度かあります。
それについて、明日お話しようと思います。