建築家・ナイトウタカシさんのブログ「すべてが自由設計なんですよね?⑤」
すべてが自由設計なんですよね?⑤
2024/10/22 更新
昨日は、自由な家づくりを目指すご夫婦の
お話でしたよね。
設計士からの提案を受けて説明を聞いた後、
自分たちの要望がうまく取り入れてくれない
ということがわかったところまでお話しました。
その後、ご夫婦がどうなったのか。
今日はその続きですよね。
最終的には。。
私のところへ問い合わせいただいて、この話題の
最初のところへいきついたわけです。
私とお話していく中で、「自由さ」について
ご夫婦が気づいたことを教えてくれました。
そのお話をしておきます。
相談してきた工務店や設計士も見方によっては
自由設計の範囲になるかもしれない。
例えば、建売住宅はすでに決まっているし、
規格が決まっている注文住宅であれば、
大枠は決まっているので、自由ではない。
なので。
注文住宅といった時点で、「自由設計」って
言ってもおかしくない。
そのイメージって。
自分たちの要望を積極的に取り入れてくれて、
すべてを自由に、自分たちで決めていける。
そんな感じだと思います。
でも。現実は。。
要望は聞いてくれる(=自由)けど、
最終的には、つくり手がよいと思われる方向を
提案してくれて、要望が採用されるのが少ない。
要望に対して。
これがいいとか。
それはできないとか。
って、プロから言われてしまうと、意見を
通すことって難しいでしょうから。
なるほどと思うしか選択肢がないかもしれません。
確かに。窮屈な感じしますよね?
その窮屈さを生み出しているのって。
選択肢の少なさなんだと思います。
例えば。
床の素材として、無垢フロアがいいとします。
天然素材を推奨している会社であれば、
そのまま無垢をオススメするでしょう。
結果、要望通りになります。
ただ。
無垢フロアにメンテナンスをデメリットにして
複合フローリングを推奨する会社もあるでしょう。
そもそも、無垢フロアを要望しているのですから、
無垢でいいじゃんと思うかもしれません。
ちょっと待ってください。
そもそも床材って、フローリングだけじゃない。
フロアタイル、タイル、クッションフロア等
いろいろありますよね。
それらの素材が、なぜ選択肢から外れているのかって
つくり手が勝手に絞り込んでるわけです。
どの素材もメリットとデメリットがあって、
どんな暮らし方をしたいか、何を望んでるのかで
最適な床材って違ってきます。
そのすべての床材が選択肢として、施主が
「自由に」セレクトできること。
それが、ご夫婦が求める「自由」設計だったと。
つくり手の恣意的な絞り込みなくフラットに、
選択肢を並べて、自由に選定していく。
それを求めていたようです。
ちなみに。
弊社では、そういう家づくりをしているので、
最終的には、家づくりをご一緒することになりそうです。
言葉って難しい(笑)