建築家・ナイトウタカシさんのブログ「すごくユニークなご要望のお話し(続)」
すごくユニークなご要望のお話し(続)
2024/04/09 更新
昨日は、最近お会いした方からお聞きした
すごくユニークなご要望について
お話ししました。
「普通は」こんな要望をされるだろう。
なんて。
いつの間にか、私が固定観念に捕らわれてる
そんなことに気づかせてくれました。
ありがたいですね。
実は、昨日のお話しした後、
ずいぶん前にお会いした方を思い出してました。
今日は、続きということで、
その方のお話しをしたいと思います。
10年ほど前のお話しです。
すでに土地はある方で、地元の工務店に
相談してみたのですが、しっくりこない。
設計士さんなら何かいい提案をしてくれる。
そう思われたそうで問い合わせをいただきました。
メールで何度かやり取りしていった後、
実際にお会いすることに。
すごく眺望のよいマンションの高層階に
おひとりで暮らしてます。
新しく建てる家も、ご自身だけで暮らす予定。
いろいろとご要望はあるとのことで、
お聞きしていきました。
いろいろお聞きしていくなかで、
今のマンションでの暮らしぶりを聞いていきました。
そうしたら。。
昼間の時間帯は、基本的に寝ていて、
暗くなるころに、動き始め、朝までには寝る。
そんな毎日なんだそうです。
ただ。
夏の場合だと、朝方が早く明るくなりますよね。
光を感じると、仕事に集中できないので、
窓には、完全遮光のドレープを壁に貼り付けてる
そうなんです。
完全に夜型の生活スタイルになっていますよね。
その方。
暗いことがストレスでもなくて、どちらかというと、
太陽の強い日差しの方が目にきつくて
ストレスを感じるみたい。
それと。
話の中で、古民家とか古い日本建築が好きなんだと
おっしゃっていました。
これを聞いたときに、ピンときました。
和なデザインが好き!という意味ではありません。
古い日本の建物って、寺院なんかにいくとわかりますが、
すごく暗いですよね。
その方は、その「暗さ」が欲しいと思っていたんです。
表面的に聞いた工務店は、和をベースにしたデザインで
シャッターのついた窓で構成された家を提案していました。
シャッター閉めれば、暗くなりますから。
では。
私がどういうご提案をしたのかというと。。
壁に一切窓がない家をご提案しました。
玄関ドア以外はすべて壁なんですよね。
そもそも。
シャッター閉めっぱなしにするのであれば、
窓いらないですから。
法的な採光はどうしているのか???
秘密です(笑)
いずれにしても。
そのご提案をとても喜んでいただいてました。
昨日のお客様は、暗く「てもいい」。
今日のお客様は、暗く「したい」。
いずれも。
その方にとっては、最適最善ですから。。
ほんと。いろんな方がいますね。
そこが面白いところでもありますが(笑)