建築家・ナイトウタカシさんのブログ「設計といっても種類があるんです⑦」
設計といっても種類があるんです⑦
2024/04/01 更新
昨日は、基本設計で行う予算調整について
お話ししましたよね。
いろいろと決めていくプロセスの中で、
ついつい「あったらいいな」ということが
積み重なると、スタート時点より
工事費用がアップしがち。
でも。そのアップした内容について、
当初坪単価を目安にした場合だと。。
何でいくら上がったのかを説明しきれず、
なんだかモヤっとした感じに。
納得いかないまま、減額の話なることが
多いかなと思います。
そこまでお話ししたと思います。
今日は、その続きです。
以前、お客様から聞いたことがあるのですが
基本設計の段階で出てきた概算見積書が、
A4一枚のザクっとした内容だったみたい。
設計当初と大きく変わらなかったので、
安心して、実施設計を進めたそうです。
そもそも。
「概算」見積書が、どんな内容なのかって、
正確な定義もないので、会社それぞれです。
弊社みたいに、細かく拾い上げた内容もあれば、
坪単価で算出してるところもあります。
お客様からしたら、その差ってわからないはずです。
プロに任せているので、大丈夫でしょう。
そんな感じなんだと思います。
そうそう。
先ほどのお話しのお客様の続きがあります。
実施設計が完了して、複数の工務店に相見積。
入札してみたら。。当初予算から1.5倍のオーバー。
(百万単位ではなく、千万単位です)
詳細図は出来上がっているし。
まもなく工事へということで、気持ちは焦るし。
減額提案してくれたけど。。
そもそも、なぜ、こんな金額に突然なったのか。
理解ができなかったそうです。
これ。
昨日のお話しそのままですよね。
おそらく。
基本設計の段階で、予算とのバランスをしっかりと
調整できていれば、入札の後で、こういったことに
なることを避けることができます。
基本設計の段階であれば、ゆとりをもって
意思決定ができるのかなと思います。
そもそも。。銀行との再調整も必要ないですし。
私は、基本設計の段階で、しっかりと予算調整をしますが。
実は、業界的には、とてもレアかもしれません。
なにせ。詳細な見積もりを二回することになるので
それを手間と考えるのであれば、やりませんよね。
最後に一発勝負で調整すればいいんじゃない?
そんな感覚の方が多いかもしれませんね。
あとで、借り入れを増やすって。。
結構大変ですから。。
ということで、まとめると。
基本設計での予算調整は、とっても重要です。
基本設計の概算は、できるだけ詳細にしてもらいましょう。
そこでしっかり納得した上で、実施設計に入る。
その流れがオススメです。
明日は、実施設計のお話しです。