建築家・ナイトウタカシさんのブログ「地震でも安心な家づくりのこと⑭(まとめ)」

地震でも安心な家づくりのこと⑭(まとめ)

2024/03/25 更新

地震でも安心な家づくり。
ということで、面談時によく聞かれること
について、いろいろお話ししてきました。

丁寧にお話しした分、少し散漫な感じがしたので、
大事なところだけまとめておきたいと思います。

地震に強い頑丈な家をつくるために、
耐震等級3にすることを求められることが
多くなっています。


耐震等級3は今ある中では、最上位で
基準の強さの1.5倍と言われています。

確かに、なんだかすごく頑丈そうですが。。
そもそも、その「基準」となる、
耐震等級1の理解が必要になります。

構造計算をした結果、等級1の基準を
満たしていることが分かればいいのですが。。

木造の2階建てまでの住宅では、
申請に構造計算の添付が必要ないため、
実質、計算をせずに家をつくっていることが
多くなっています。

つまり。
基準を満たしているのかすら、しっかりした
根拠がないことが多いということなんです。

なので。
第一歩は、構造計算をすることが大事です。

ただ、現状、構造計算をしている会社でも、
計算すること自体を目的にしていることが
多いので、ギリギリな設計になっていることも。

構造計算はあくまで手段であって、
設計者が、自分なりの方針をもって、
安全性を見極めることが必要になります。

構造に詳しい設計者でなければ、
そういう依頼ができません。

一級建築士を持っているからといって、
全員が構造に詳しいわけではないので、
面談した時に、その辺は確認が必要です。

地震に強くするというと、
○○工法といった、特殊っぽい工法を
発見することがあります。

もちろん、その工法はいい側面もありますが、
特定の会社しか取り扱えないので、
全体のコストが高く設定されることが多いです。

それと、特殊っぽく見せている工法でも、
よほどの内容であれば、我々でも、
同等の方法で、工事することができます。

なので。
構造に詳しい設計者に相談できれば、
わざわざ特殊な工法にする必要もないんですよ。

最後に。
耐震ではなく、免震とか制震はどうか?について。

免震は、地震の揺れを逃がす仕組み。
制震は、地震の揺れを吸収する仕組み。

免震はいいところもありますが
縦揺れは効果がないことと、費用が高いことを
理解してクリアできれば効果的。

制震は、単独では地震の時に不安なので、
耐震と組み合わせて使うことがオススメ。

万一耐震効果を発揮しないくらい損傷したら、
制震が活躍してくれる。
そんな保険的な考え方が最適かもしれません。
制震は、さほど費用は掛かりません。


かなり端的にまとめてしまいましたが、
概要は伝えきれたかなと思います。

各々の箇所で詳しいことを知りたいよう
でしたら、過去を遡ってみてください。

地震のお話しは以上です。

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