建築家・ナイトウタカシさんのブログ「屋根はどれがいい?④(金属屋根)」
屋根はどれがいい?④(金属屋根)
2023/11/17 更新
昨日ご紹介したカラーベスト。
よく見かけるので人気があると思いきや、
どうやら、採用意図は違うところだったりします。
以前、お客様からお聞きしたことなんですが、
某HMの方が、カラーベストを提案した上で、
「ノーメンテでいいですよと聞いて、どうなんですか?」
って、質問されたことを思い出しました。
その答えは。。
昨日のお話しを参照してくださいね。
さて。
今日の屋根は、金属についてです。
金属屋根って、あの錆び錆びになってるあれのこと?
って思われた方もいるのではないでしょうか。
確かに。
ひと昔より前の金属屋根といえば、トタンですから。
定期的に表面を塗装しないと、錆びが発生しやすいです。
ただ。
最近、金属屋根として使われるのは、ガルバニウム鋼板が多い。
外壁の時にもお話ししたのですが。
鉄板にアルミと亜鉛の合金メッキをしてあるので、
紫外線等に、とても強いので、トタンにように、
錆び錆びになってしまうことは、よほどないですね。
ガルバニウム鋼板は、いろんな色があるのですが、
それは、そのメッキの上を塗装しています。
仮に塗装が劣化しても、メッキが生きていれば、
錆びが発生することは、よほどないですから。
ただ。メッキに深い傷がついて、削れてしまうと、
当然錆びますので、注意が必要です。
塗装が劣化してきて、色褪せてしまいますが、
それが気にならないのであれば、塗り替え間隔を
開けてもよいでしょう。
そうはいっても、塗り替えがオススメです。
塗り替えせずとも、カラーベストのように朽ちてしまうわけでない
という意味では、安心ですよね。
この素材のいいところは。
葺き方にもよりますが、かなり緩やかな勾配にできること。
他の素材ではできないほど緩くできます。
なので、ハコ型に見せたい時には、重宝しますね。
凹凸も少なくできるので、見た目がシャープ。
余計と、モダンなデザインとは相性がよいです。
それと、軽いから耐震性がいいって聞いたりしますが、
軽い=耐震性にはならないですね。
屋根の重さに合わせた構造を計画すれば同等です。
そうそう。
気になる点として、雨音が挙げられます。
ゲリラ豪雨なんかの時、パタパタとした音がしそうです。
実際、カーポートやガレージに鉄板が使ってあると、
かなり激しい音がするはずです。
もちろん、何もしなければ、同じですが。
金属の下地を工夫したみたり、屋根断熱にしてみたり。
そういった対処で、かなりの音は軽減できてしまいます。
音はするけど、うるさく感じるほどではない。
そういった印象です(個人差はあるのですが)
なので。雨音が気になるという点は、該当しないかなと
思いますね。
以上から、モダンなデザインにしたい方には、
金属屋根ってオススメです。
巷で言われている気になる点は
デメリットまでにはならないと思いますので、
見た目だけでなく、機能的にもいい素材かなと思います。
ということで長くなったので、明日へ。