建築家・ナイトウタカシさんのブログ「外壁って何がいいの?⑱(木の外壁2)」
外壁って何がいいの?⑱(木の外壁2)
2023/10/25 更新
昨日から、外壁材の一つとして、
木質系の仕上げのお話しをしています。
昔からよく使われている素材ですが、
このところ、とても人気があります。
ただ。
経年で、茶色からグレーに変色していく。
そんな特徴があるので、それが好みでない人には、
あまりオススメではありませんよ。
そんなお話しでした。
今日は、その他の特徴について、
お話ししていきたいと思います。
木質系のサイディングの特徴として、
断熱性が高い!なんて言われています。
木材は、金属なんかに比べると、
素材として熱を伝えにくいという特徴があります。
なので。
鉄骨造の建物より、木造の建物の方が、
簡単に断熱性能を高くできます。
ただ。
だからといって、外壁に使う際に、
断熱性が高くなるかというと、疑問は残ります。
以前、金属系サイディングのお話しでしましたが、
外壁が金属だから、断熱性がよくないことはありません。
金属系サイディングでは、断熱材となる素材が
ガルバの内側に裏打ちされていますが、断熱が目的では
ありませんから。
外壁材と断熱材を構成する壁の間には、
通気層があるので、熱が伝わるのは、考えにくいですから。
外壁の熱が、内部へ伝わる前に、通気がしっかりとれていれば、
その熱は上昇気流にのって、排出されますね。
それと。
仮に、そこに熱がとどまったとしても、
その内側にある、断熱材のおかげで、室内への熱は
進入しなくなりますので。
なので。
断熱材も、通気層もない、昔ながらの家であれば、
使う外壁の影響は、大きくうけると言えます。
これから新築する場合はありえないですし、
外壁を新しくするのであれば、最低でも、
通気層は確保するため、外壁が木だから断熱というのは、
説得力ないかもしれませんね。
それ以外の特徴はどうか。
とてもシンプルですが、木材ゆえに、燃えそう。
そんなイメージをお持ちの方がいると思います。
たしかに。
焚火なんかするときって、木材を使いますから(笑)
いざ外壁となると、困りますよね。
通常の木材であれば、法的にも防火が取れていないので、
その下地となる板を、燃えない素材にすることになります。
少し思い出していただくとわかるかもしれませんが、
樹脂サイディングと同じ下地材です。
樹脂サイディングも、単体では防火はないですから。
実は。
「通常の」と記載したところに意図があります。
その辺については、明日お話ししましょう。