建築家・ナイトウタカシさんのブログ「外壁って何がいいの?⑮(ALCという素材」

外壁って何がいいの?⑮(ALCという素材

2023/10/19 更新

昨日まで、樹脂でできたサイディングという外壁材を
ご紹介してきました。

すごくいいところもありますが、気になる点も。。
ほんと、一長一短だなって思います。

さて。
今日は、別の外壁材のお話ししていきます。

これから家づくりされる方でも、おそらくご存じかもしれません。
重量鉄骨造の家といえば。。

某ハウスメーカーが思い浮かぶのではないでしょうか。
そうそう。そちらです(笑)

その建物に使われている外壁材といえば。
〇-ベルという商品名で、素材は、ALCといいます。


ざっくりお伝えすると、コンクリートの中に、
たくさんの空気を含ませて、軽く板状にしたものです。
(詳しくは、ググってくださいね)

コンクリートがベースなので、防火性能がいいのは
なんとなく想像つくかなと思います。

それゆえ。
街中にある鉄骨造のオフィスビルなんかには、
よく使われる素材となります。

よく使われるからといって、家に最適ということでも
ありませんが。。

木造で使う場合は、厚みは薄くしてあります。
そうでないと、構造とのバランス悪いですから。

この素材。
一般的には、こんな特徴があるって言われます。

防火性→ある意味その通り
断熱性→?
耐久性→?
遮音性→?

?と書いたのは、とても一面的な見方だからです。

コンクリートの中に、空気を含んでいる=断熱性がある
いやいや。コンクリートに比べればその通りですけど、
それだけでは断熱材になるほどの性能はありません。

なので。「コンクリートと比較して」断熱性がいい。
それがその通りかなって思いますね。

コンクリートでできている=耐久性が高い
たしかに。サイディングなんかに比べると、頑丈でしょうね。
相当強く衝突しないとへこんだりしないでしょうから。
でも。
塗装がなくなったら、吸水して、膨張したりしますから。。
物理的には頑丈ですけど、塗装が前提になっています。

ということは。
塗装の性能が低いと、外壁としての耐久性は、
高くないということになってしまいますよね。

それと。遮音性。
ほんとにあるかな。。
コンクリートに気泡があるので、遮音性がある。。。
どちらかというと、面密度の高いコンクリートの方が、
遮音効果は高いかなと思います。

グラスウール=遮音性って
考えを前提にすると、遮音性ありそうですけど、
少し拡大解釈なのではないかって思います。

個人的には、そう思いますが、
実際の実験結果なんかがあれば、相応な条件で
性能を発揮するかもしれませんが。

ここまで話しながら、あまりポジティブな内容ではないのですが、
明日は、この素材の気になる点をお話ししていくことにします。

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