建築家・ナイトウタカシさんのブログ「外壁って何がいいの？⑫（金属系サイディン」
外壁って何がいいの？⑫（金属系サイディン
2023/10/16 更新
昨日は、ガルバニウム鋼板の外壁で、
縦リブの理由とか、それ以外の葺き方について
お話ししました。
その中で、縦リブ以外の場合、太陽熱でたわむ。
ということもお伝えしました。
そこで。今日は。
たわむのは嫌だし、縦リブ以外にもしたい。
そんな方に最適な金属サンディングのお話しです。
サイディング？金属？
サイディングって、この間お話しした？？
通常、サイディングっていうと、おおよそは窯業系、
つまり、セメントを固めた板を指すことが多いですね。
ただ。サイディングっていうと、外壁に張る板のことを
指していて、窯業系に限らないんですよね。
屁理屈はさておき(笑)
表面を金属（ガルバ）で仕上げた外壁用の板。
それが金属系のサイディングとなります。
これまでお話ししてきた板は、0.35-0.4ｍｍ。
それに対して、厚みが、15ｍｍ程度あります。
実は、ガルバニウム鋼板を板状にするため、
成型したウレタン等を下地にして、その上に
ガルバニウム鋼板を張っているんです。
この下地があるおかげで、
熱によって発生するたわみを最小限にできます。
例えば。
45ｃｍ幅のフラットなガルバニウム鋼板の外壁が
できてしまうほどです！
裏打ちがなければ、グニャグニャですから(笑)
この金属系サイディング。
改善されるのは、たわみだけでもないんです。
壁に固定するビスを、つなぎ目で隠すことができるので、
雨仕舞が格段によくなります。
通常のカクカク鋼板の場合、45ｃｍピッチで打ったビスが
暴露になるので、振動で緩んだりすると、雨道にも。。
（そうならないような対処の仕方もありますが）
比較すると、雨仕舞は、かなり向上しますよ！
それと。あたり前なんですけど。。
工場で成型したものを持ってきて設置するので、
精度が高く、まっすぐなラインを出すことができます。
通常のガルバの場合は、職人さんが折り曲げるので、
技量に左右されることになります。
もちろん。
その人の手を感じる仕上がりにしたい！
ということでしたら、金属系サイディングでない方がよいかも。
そうそう。
よく見かける内容で、少し違うかなと思うことを
お伝えしておこうと思います。
金属系サイディングに裏打ちされているものが、
いわゆる断熱材と同じなんです。
それを取り上げて、金属系サイディングは断熱がいい。
そんな内容を見かけたりしますが。。
そのサイディングを外壁下地に、ピッタリつければ、
可能性はありますが。。
サイディングと外壁下地の間には、外気（通気層）
があるので、その効果はありません。
断熱性はありませんが。。
ガルバニウム鋼板の外壁で、たわみが少なく、
雨仕舞もいい。
そうそう。唯一気になるのは。。。
工場で成型して現地に運ぶので、長さに限界があること。
３階建ての場合、つなぎなしで一枚に仕上げるのは
無理ですね。
中間で見切りという横ラインが必要になります。
ついつい長くなりましたが。。
金属サイディングも、魅力的な外壁の一つですね。
