建築家・ナイトウタカシさんのブログ「窓ってどう決めるの?⑪(オススメでない窓」
窓ってどう決めるの?⑪(オススメでない窓
2023/09/25 更新
昨日は、縦長、横長の窓について
いろいろお話ししましたよね。
最近、よく使われる窓なので、
調べたり、ショールームで体感したりすることを
オススメします。
今日は、タイトルが変かもしれませんね(笑)
オススメ「でない」窓。
そんなの紹介しなくていいんじゃない?
って声が聞こえそうです。
でも。
古い知識のままで更新されてなかったり、
住宅をあまりやらないつくり手なんかだと、
そういった窓を提案する場合もありますから。
「うちがよく使ってるから」
そういう視点だけで、窓を決めてしまわず、
自分でしっかりと見極めて決めていけるといいですね。
そうそう。
ただ。オススメでないのは、あくまで私の主観なので、
それに共感されない方もいるので、その辺は
ご注意くださいね。
まず一つ目は、内倒し窓です。
名前の通り、窓が内側に倒れてきます。
すごく昔に、公団のお風呂でよく見かけました。
引き違いに比べて、滑り出しみたいに開きが少ないので
換気で窓開けていても、防犯性はありますよね。
それと。マンションなんかで、共用廊下に面していれば、
通行のジャマになったりしませんね。
でも。戸建て住宅であれば、レアケース。
アプローチに面した窓くらいでしょうか。
気になる点。いくつかあります。
窓を開けてる時に雨が降ると。。中に入ってきます。
想像しているより多いと思いますよ。
それに、カーテンとかはつけられないですね。
当たり前ですよね。内側に窓が倒れてくるので。
それと、窓の掃除はかなり難しいこと、
あと、網戸が外側につくので、掃除ができない。。
なかなか採用にハードル高くないですか?
もう一つは、内倒しによく似ています。
外倒し窓になります。
名前の通り、外に倒れる窓で、店舗なんかでは
よく使われます。
理由は。。法律で、火災の時なんかに、
煙を排出するための窓として有効だからです。
もちろん。住宅でも採用はできますよ。
でも。一番のネックは。。
窓開けているときに雨が降ると、
窓に掛かった雨はすべて室内へ流れ込みます。
おそらくですけど、窓の中で一番雨入ると思います。
それと、内倒し同様、窓の外側の掃除が難しい。。
2階についてたりしたら、おそらく掃除しないです(笑)
最後に。。
私が若いころ(20年くらい前)に流行っていた窓。
ジャロジー窓(ルーバー窓)っていいます。
当時は見た目がいいと思われていたことと、
ルーバーを開ければ換気ができたこともあって、
かなり人気で採用されていました。
でも。。
当たり前なんですが、隙間があるので、気密はよくないし、
ガラスを外せば、侵入できてしまいます。
ということで。
私、個人的な意見ではありますが、
上記の3つの窓は、あまりオススメではありません。
もし、オススメされたら、上記の気になる点について
質問していただいて、回答を踏まえた上で、
採用いただいたらと思います。
明日は違う窓のお話しです。
お風呂の窓とか。
仮に下から見たとしても、見えるのは天井くらいですから。
それでも、しっかり換気はできるのは、優れものですね。
ということで。
縦長、横長の窓の特徴をお話ししました。
特に、水回りなんかには、よく採用されますので、
何を大事にするのかをハッキリさせながら、決めていくといいですよ。
明日は、違う窓のお話しです。