建築家・ナイトウタカシさんのブログ「和室ってあった方がいいの?⑤」
和室ってあった方がいいの?⑤
2023/04/24 更新
昨日は、リビングの脇にあるタタミコーナーをご紹介しました。
段差があった方がいいのか。
ない方がよいのか。
どんな使い方をしたいのかで変わりますよ。
そんなお話しでした。
今日は、少し違った視点でご紹介していきます。
まずは、こちら。
こちらは、昨日ご紹介した事例と同じく、
和室は、リビングの脇にあります。
ただ、少し様子が違いますよね。
段差は、わずか。
昨日ご紹介した事例の半分以下となります。
さすがに、この段差では、腰かけようとは思いません。
立ちあがるのに大変ですから(笑)
それと。
和室内をご覧いただくと、わかるかもしれませんが、
白木を使って、和を感じるデザインにしています。
右側に見えている横長の室内窓。
少し見えにくいのですが、障子になってます。
奥の浮いた押し入れの下もそうですよね。
襖も、敢えて白木をまわしています。
極めつけは、照明。
和紙を使っていて、点灯すると白木のフレームが透けて見えます。
そうなんです。
リビングの脇にあるのですが、一体の空間として使うのではなく、
和室として、独立して使うことを意識してるんです。
なので。
出入口の戸の枠も、白木ですから。
この中途半端に見える段差は、
モダンな空間と和の空間を視覚的に分離することを意図してます。
なので。
この高さでもOKなんです。
もちろん、開放していれば、一体の空間として「見え」ます。
でも、一体で使う感じに見えないのではないかと思います。
LDKと隣接しているけれども、独立しても使える。
そんな和室なんだと思います。
タタミコーナーって、LDKと一体で使う。
という機会が多いのですが、独立して使うことを意図する。
それも一つの方法なんですよ。
みなさんはどう感じましたか?
明日は、もっとポジティブに和室を問い入れた事例を
ご紹介していこうと思います。