建築家・ナイトウタカシさんのブログ「トイレのお話し③(広くする?)」
トイレのお話し③(広くする?)
2023/03/03 更新
昨日は、トイレの中でも、便器まわりのこと。
見た目や清掃性から、いろんなタイプがある
というお話しでした。
今日は、トイレの広さについて。
家づくりをスタートする前に、ヒアリングさせていただくと、
こんな要望をよくうかがいます。
「トイレを広くしたいです」
だからといって、大きすぎても落ち着きませんが(笑)」
なぜ、そう思うのか。
それを考えると、どの程度までの広さにすべきかが
理解できていきます。
みなさん。
なんとなく、想像ついてますよね。
こちらご覧ください。
何の変哲もないトイレですよ。
こちらは。。賃貸マンションのトイレになります。
長手が、およそ有効で、1.2mほど。
そこに、タンクありの便器が設置してあるので、
着座すると、目の前に、壁(やドア)が。。。
もちろん。手で触れますし。
その窮屈さって、相当ですよね。
打合せで、ご自宅(賃貸マンション)でお話し聞いていて、
この話が出ると、トイレを測らせていただいたりします。
もし、これ位の寸法でしたら、窮屈だろうと思います。
(ただし、個々人で窮屈さの感覚は違いますが)
この「狭さ」を基準にして、これより「広く」したいということ。
賃貸マンションでは、この大きさってよく見かけるのですが、
実は、戸建て住宅では、あまりよく見かけない広さです。
木造の戸建て住宅であれば、よくある広さといえば。
ちょうど、畳一枚分。
長手の有効寸法が、1.65mほどあるので、
タンクのある便器でも、着座した際の圧迫感は、
ずいぶんと少なくなると思います。
さらにタンクレスにすれば、なお広く感じますよね。
この広さでも十分という方はいますが、
身体が大きい方(特に幅が大きい)には、
長手だけの問題ではなく、短手も関係してきます。
畳一枚分だと、幅が76cmくらいになるのですが、
もっと広くとなると。
これくらいでどうでしょう?
横幅が、1.2mあります。
手洗いを大きくすると、有効幅は狭くなっていきますが、
それでも、手洗い上はゆったりしますので。
実は、これ以上広いと、感覚的には、殺風景な感じに。
もちろん、それもOKですが、その分、他のスペースを
広くすることに使った方がよいかもしれませんね。
将来の介助も想定して。。
そんな場合は、トイレスペースを広くするのではなく、
出入口を大きな引き戸にしておいて、戸を開けて
介助をするという方が現実的かなと思います。
といっても。
もちろん、どこまの広さにするのかは、自由です。
しっかり体感しながら、使い方を考えながら、
全体との面積バランスも考えながら、広さを決めていくと
よいかなと思います。
長くなってしまったので、また明日へ。