建築家・ナイトウタカシさんのブログ「階段どうする?⑤(階段のカタチって?)」
階段どうする?⑤(階段のカタチって?)
2023/02/17 更新
昨日まで、階段の「動線」という視点から
いろいろとお話ししてきました。
どんな生活スタイルなのか。
どんな暮らしがしたいのか。
何を優先していくのか。
そういったことを、しっかり考えて、
階段の位置を考えた方がいいですよ
というお話しでした。
今日は、階段単体について
お話しようと思います。
階段のカタチというと、
大きく3つに分かれます。
一つ目はこちら。
折り返し階段です。
よく見かけますよね。
階段から落ちてしまったら、
途中で止まれるから安心です。
なんてうかがいますが。。
落ちること自体あまりよくないので、
落ちないような工夫をしましょうね。
180度回転する部分(踊り場)に、
三角形の踏板を設置してよければ、
畳2帖に納まります。
ただ。
三角形の踏板は避けたいとなると、
3帖くらいの広さになることも。
階段での安全性を大事にするのか。
スペースの有効利用を大事にするのか。
それによって、違いますよね。
二つ目は、かね折れ階段。
折り返し階段は、コの字に昇降しますが、
こちらは、L字型に昇降します。
こちらも、90度回転する部分(踊り場)を
三角形にするかどうかは先ほどと同じです。
ただ。こちらの方が、スペースで考えると、
折り返しより、余分にスペースは必要になりますね。
三つ目は、直階段。
まっすぐ直線で、昇降する形です。
先ほど、折り返し階段でお伝えしましたが、
こちらの階段の場合は、階段から落ちると、
1階まで転げ落ちてしまいます。
こちらは、他空間との組み合わせ方しだいで、
かなりコンパクトに納めることができます。
それと、横に広がらないことから、
間口の広くない敷地での計画であったり、
LDKの中にレイアウトする場合には、
他のスペースを圧迫せずに済むことができます。
それと。
開放感のある、スケルトン階段をつくるときには、
階段の構造上、とても有利なので、
このカタチが多いかなと思います。
最後四つ目は、螺旋階段。
2帖のスペースの中で、螺旋状に昇降していくカタチ。
見た目がオブジェみたいで、人気はあるものの、
使い勝手がよくなさそうという理由で、
採用されることは、あまり多くないかもしれません。
ただ。
実際に昇降してみると、意外にも便利だったりします。
(もちろん、その便利という感覚に個人差ありますが)
目が回るほど、長い時間昇降しませんし、
手すりがあるので、落ちてしまうこともないですから。
比較的、コンパクトに納まるのもメリットかもしれません。
でも。採用するのに注意することあります。
引っ越し。ベッドとか階段経由が難しいので、
別ルートを確保すること。
2階LDKだったりすると、大変ですよ。
ということで。
大きく階段には、4つのタイプがあります。
間取りとの関係で決まることが多いとは思いますが、
いろいろと体感してみて、ストレスなく使えそうな
形を選定してくださいね。
毎日使う場所ですから。
ずいぶんと長くなったので。今日はこの辺で。