建築家・ナイトウタカシさんのブログ「玄関についていろいろ⑤(玄関土間のこと)」
玄関についていろいろ⑤(玄関土間のこと)
2023/02/05 更新
昨日は、玄関の演出についてのお話し。
昼の姿と夜の姿をイメージしながら、
来客へのおもてなしの空間を考えた事例でした。
さて。
今日は、少し違った視点の玄関周りのお話しです。
家づくりについて、ご要望をうかがう中で、
玄関土間が広くほしい!という話が出たりします。
以前、お話ししましたが、この「広く」は曲者(笑)
20帖あればいいのか?というと、そうでもありませんから。
そんなご要望のあったお客様が実現した、玄関土間はこちら。
玄関ドアから家の中に入ると、
奥まで土間が連続していきます。
正面に見えている窓から、
天気のいい日は、青空が望めます。
こちらの土間。
広さでいうと、5.5帖!あります。
玄関ホールといわれる場所が、ほぼなくて、
ちょっとした板の間を経由して、LDKへ入っていきます。
この広さにした理由。
それは、自転車のメンテナンスをしたり、
正面に置いてありますが、お子様の三輪車や自転車を
おいておきたいから。
自転車をいじる時、冬であれば寒いし、夏であれば暑い。
そんな快適でないところでは、丁寧にできません。
落ち着いて、丁寧に作業するのであれば、屋内がいいはず。
それと。
お子様の三輪車なんかを置いておくため、
土間収納を設けて、玄関から見えないようにする。
それもいいのですが。。
部屋として区切ってしまうと、各々が狭くなってしまいます。
なので、見せていいように、三輪車等をおけばいい。
そんな考え方の結果、玄関土間がこれだけの広さになりました。
キャンプ用品等、屋外で使うモノのメンテをするのに、
これくらいの土間があると、とても重宝しますよ。
全体との面積配分になりますが、検討してみるのもよいと思います。
そうそう。
少し見た目のお話ししておきます。
床のタイル。
よく見ていただくと、長方形のタイルを採用しています。
長手を奥に向けることで、奥行感が出ますね。
空間を広く見せる工夫の一つです。
もう一点。
土間の左側が、一部白玉砂利敷になっています。
これ。お客様のこだわりなんです。
機能性ではなく、完全に見た目での採用です(笑)
玉砂利部分は、タイル面に比べて、掃除しにくい。。
とアドバイスを差し上げました。
でも、意外にも。
数年後に拝見しましたが、全くきれいなままでした。
屋外でなく、屋内だったからかなと思います。
いろんな玄関があるもんです。
続きは明日へ。