建築家・ナイトウタカシさんのブログ「屋根をきれいに見せるには?」
屋根をきれいに見せるには?
2022/12/02 更新
グッと道路側にせり出した家。
ちょうど、屋根の瓦が葺き終わったところ。
屋根のラインが、すごくきれいでした。
そのラインを見ながら、
以前、お客様からうかがった話を思い出していました。
「屋根を薄く見せることが、デザイン性を高めます。
薄くないと、野暮ったく見えますから。」
とあるデザイン工務店の社長さんが、自社と他社の事例を見せながら
おっしゃられたそうで。
「ナイトウさんも、そういったデザイン性高くしていただけるんですか?」
と問いかけられました。
どう答えたと思いますか?
「薄い方がシャープですから。その方がいい。私もそうしてます」
なんて。。
答えていませんよ。
それでは、かなり一面的ですし、偏った見方なので。
おそらくですけど、その会社さんは、ガルバニウムの屋根を
メインで採用されているんじゃないかと思います。
そもそも。
瓦屋根で、頑張って薄くしたとしても、限界ありますので、
そもそも、瓦屋根を採用しないという前提なんでしょう。
それと。。
一つは、建物のスケール感とのバランス。
極端に言えば、すごく大きな建物なのに、平屋の建物なりの薄さ
であっても、それが最善なのかは微妙です。
なので。
あまり大きな建物を想定していないんだと思います。
もう一つは、建物のコンセプトによります。
屋根をしっかりと見せたい。例えば、町屋みたいにしたい。
そうであれば、薄くすることが最善ということでもなくて、
ある一定の厚みがあった方が、よいと思います。
それと。
屋根の見せ方として、厚みも大事ですが、軒の出も大事。
薄くても短かったら寸胴に見えますよ。
ということで、返答としては。。
「薄さだけが、美しさにつながらないので、
コンセプトに合わせた最善の見せ方をご提案します」
としました。
皆さん、どう思われましたか?
話は変わりますが。
こちらは、この現場の内部です。
大きな掃き出し窓が設置されていました。
ご覧の通り、壁一面がサッシなので、
開放感はすごいことになりそうです。
これだけの大きな窓ですと、冬の寒さが気になりませんか?
(このブログを冬に書いているので)
今住んでいるのが、古い賃貸マンションであったり、
古い木造の戸建てだったりすると、そんなイメージかもしれませんが、
最近の高性能なサッシを採用すると、ずいぶんと違います。
おそらく、冬の結露も忘れてしまうと思いますよ。
それと。
二枚目の大きな窓ですが、こちらは。。
樹脂サッシで、かつ、三枚ガラスになっているので、
ビックリするほど体感は変わると思います。
その分、ビックリするほどの金額になりますが、
お客様のこだわりで、採用となっています。
どこまで、スペックにこだわるかは、お客様しだいなので、
相談しながら、決めています。
先ほどのデザイン性も大事なのですが、
快適さもすごく大事だと思っていますので。
そんな家づくりをしています。