建築家・ナイトウタカシさんのブログ「大工さんの職人技に改めて感服!」
大工さんの職人技に改めて感服!
2022/10/05 更新
斜めにカットされた、二つの木材。
これ。
和室の天井周りに使う部材です。
よく御覧いただくと、手前は斜めにカットされてますが、
奥は、少し形状が違いますよね。
斜めにカットして、接着剤を使えば、きれいに納まります。
でも。
こちらの工事をしている大工さんは、それを選択しませんでした。
一枚目の画像の仕組みを細かく説明するのは難しいのですが、
なんとなくのイメージが共有できるようにするなら。。
斜めになっているところは見た目を整えるためだけの加工で、
その奥が、凸と凹になっていて、両者を組み合わせると、
ガチャンとハマって、取れてこないようになります。
そういった細かな加工を、この細い部材に施してるんですよね。
何も、腕を見せつけるためではなくて、
この部材を組み合わせるためには、
この加工が一番よいということだそうです。
接着剤だと、木材の収縮等で隙間が経年で空いてくる可能性がある
そうですが、細かな加工をしたものであれば、接着剤なくても、
空いてくる可能性が低くなるそうです。
大工さんの技術ってすごい!と改めて関心しました。
和室周りの部材は、こういった加工の積み重ねで工事していくので、
普通の部屋をつくること以上に手間と時間がかかるそうです。
ただ。
こちらの現場の大工さんは、すごく手慣れた感じなので、
スムーズに進めてくれそうです。
そうそう。
大工さんと雑談している中で話題になりましたが、
真壁のしっかりとした和室って、年に1件あればいいそうで、
工事できる機会は、あまり多くないそうです。
こういった職人技は、継承していけるといいなと思いました。
午後は、別の現場へ。
ちょうど、断熱の工事をしているところです。
断熱とか、気密って、快適さに直結するので、
すごく大事にしています。
(大事にしているのはそれだけではないですが)
ここ最近、外皮性能が〇〇なので、断熱等級が最高位だとか、
うちはすごいんですといったことを耳にしますが。。
もちろん、計算上は、いくらでも高く設定できます。
でも。
それを実現するのは、現場の工事によります。
施工状況がよくなければ、設定した断熱気密性能は確保できません。
なので。
私は、必ず、節目に現場で全箇所を確認するようにしてます。
気になる点は、職人に伝えて改善してもらいます。
あの会社なら大丈夫だから。
そうはいっても、やるのは、会社でなく人ですから。
最近でこそ、お付き合いする工務店の方が、
私が厳しくチェックすることをしっているので、
よほど大丈夫ですが。。
以前は、結構指摘があって、やり替えなんかを依頼したことも
あったりしました。
なので。
第三者にしっかりとチェックしてもらうことをお勧めします。
夕方からは、とあるお客様と土地探しについて作戦会議へ。
候補になる土地があって、そこへ一気に気持ちが動いてきて、
買い付けを入れるかどうか、そんな話になってきたため、
急遽、打ち合わせとなりました。
いろいろ伺っていきながら、本当にそこでよいのか。
いや。そこがよいのかを話していきました。
結果、その土地を購入する前提で、話を進めつつ、
他の土地も探しながら、もろもろと同時並行で
進めていくことになりました。
これから、一気に動いていきそうです。
楽しみですね。