建築家・ナイトウタカシさんのブログ「車いすと暮らす家をつくるためには?」
車いすと暮らす家をつくるためには?
2021/06/13 更新
昨日、用事があって、寄らせていただきました。
数か月前に竣工した家です。(一枚目)
フラットな黒いガルバが印象的ですね。
ガレージシャッターも黒にしたので別棟ですが統一感あります。
ちなみに。
中に入ってる車も全て、色はブラックでした(笑)
ご夫婦とめちゃ元気なワンちゃんが暮らしてます。
久しぶりに、ご夫婦とお会いして、いろいろお話させていただきました。
食洗機は深型にすればよかった!そうです。
生活してみると、わかることもあったりします。
貴重なご意見も伺えて、楽しい時間tなりました。
さてさて。
話は変わりますが。。
昨日、これから家づくりを考えている御家族にお会いしてきました。
あまり詳しくは書けないのですが。。
御家族の一人が、車いすを使って暮らすことになりそうなんです。
ただ、車いすを使うだけではないのですが、それはさておき。。
車いすで暮らすことを想定するって、実はなかなか難しいんです。
私は、車いすで生活される方の家づくりに、
何件も関わらせ手いただく機会があったので、その大変さが理解できます。
お話うかがいながら、いろいろ思ったりすることがありました。
例えば。
ご主人から、バリアフリーにしたいんです!
というご要望がありました。
前面道路と敷地に高低差があって、そこにはスロープを設置したい
というお話でした。
他の工務店にも相談されているそうで、そこでお聞きになったのか
わかりませんが、スロープは1/12の勾配にしたいと。。。
気になったポイントは、1/12という勾配です。
国が定める基準で、「屋内」のスロープは1/12以下といわれてます。
そう。屋内の基準なんですよね。
屋外のスロープ勾配は、1/15以下が基準になります。
おそらく、別の工務店が、勘違いして、お伝えしたんでしょうね。
ただ。
それは、ネットで調べれば、わかることなのでいいとして。。
もう一つ大事なポイント。
1/12とか、1/15の勾配のスロープが、どれくらいなのかを
体感上知ってるかどうかです。
以前、車いすのお客様の家づくりで、屋外のスロープ勾配を
1/15でつくったことがありました。
お客様には、役所だったかで、体感はしていただいて、そうしました。
でも。。
実際出来上がってみて、1/15の勾配を車いすで、上ったり
下ったりしていただいたのですが、ずいぶんとご苦労されていました。
そこで。
私も体感させていただいたんです。。
1/15って。結構キツイ勾配なんだって思いました。
あくまで、国が定める最低の基準というだけで、
それが絶対ではないので、病状や車いすの種類なんかを踏まえて
場合によっては、もっと勾配を緩くしないといけないと思います。
昨日のお客様の場合は、おそらく、そのケースで、
間違っても、1/12で作ったら、大変なことになると感じました。
バリアフリーって。一律皆が同じじゃないんです。
その人に最適な作り方があるんです。
せっかくの家づくりですので、自分たちが、使いやすくて、
暮らしやすい空間づくりをしていただけるといいなと思います。