建築家・ナイトウタカシさんのブログ「天井を高くして開放感を!」
天井を高くして開放感を!
2021/04/21 更新
印象的なリビングです。(一枚目)
何と言っても。
ソファがないですから。
こちらのお客様は、ソファでなくて、ビーズクッションがいいそうです。
リビングにソファって、鉄板な組み合わせ方なので、
見た目として、なんとなく、期待してしまいますね(笑)
というか。
今日のお話は、それがメインではありません。
ポイントは、天井です。
間接照明がきれいにまわっています。
こちらのお客様のこだわりの一つだったんですよね。
この間接照明のある雰囲気が好きで、この天井にしたのですが。。
天井は、低いところで、2.4m、高いところで2.7m。
リビングダイニング全体の天井が2.7mになっているので、
すごく開放感のある空間になっています。
実は。。
LDK全体の天井高さが、2.7mにするより、
低いところと、高いところが共存する方が、
2.7mをより、高く感じることができるんです。
比較対象があると、より強調されるんだと思います。
茶室の出入り口って、その考え方に基づいて、
とても小さな入り口にしてるくらいですから。
同じように天井の高さを変えるといっても、
一枚目のように、中央を折り上げて高くするだけでなくて、
二枚目のように、空間単位で高さを変える方法もあります。
こちらの家では。
ダイニングキッチンの天井に、レッドシダーを採用したいという
御要望だったんです。
ただ。天井に色を入れると、視覚的に、高さを低く感じてしまうため、
リビングには、レッドシダーを採用しない方針でした。
そこで。
リビングの天井を白く、高く設定ししました。
素材が異なる天井を同じ高さにすると、とても変なので、
高さは変えます。
さらに、高くした天井面を白くすることで、その高さを
より高く、レッドシダーは低くて落ち着いた印象に
なるよう、考えて高さを設定しています。
無作為に、天井の高さを変えているわけではないんです。
三枚目は、折り上げた天井に、化粧された梁を見せています。
リビングの天井を高くすることで、少しでも開放感を演出するのを
主目的としながら、梁を見せることでナチュラルな雰囲気を演出しています。
3つの梁を同じ高さにしているのは、意図的ですよ。
せっかく見えてくるなら、きれいに見えるようにしたいですから。
梁が見えることで、せっかくの開放感がへってしまうのでは?
と思ってしまうかもしれませんが、そうでもないですから。
梁はありますが、天井高さの感覚としては、天井面になります。
家中の天井高さを、一律高くするのも一つの方法ですが、
やりすぎると、コストに大きく影響します。
天井を高くする方法は、いろいろあります。
どこをどう見せたいのか、感じたいのかを相談しながら、
いろいろ考えてみてはいかがでしょうか?
楽しいですよ。