建築家・ナイトウタカシさんのブログ「キッチン背面壁にらしさを組み込む!」
キッチン背面壁にらしさを組み込む!
2021/04/02 更新
対面キッチンの奥。
背面収納の中にある壁って、リビングからよく見えます。
ついついキッチンに目が行ってしまいがちですが、
この背面の壁は、インテリアの印象を左右します。
せっかくの場所なので、全体とのバランスを見ながら、
自分の好きを取り入れてみてほしいです。
一枚目の事例は、インテリア全体のイメージは、
ミニマルなデザインで、スタイリッシュ。
キッチンは、先日、こちらでもご紹介しましたが、
ピアノ塗装を使ったブラックのキッチン。
そのキッチンとケンカせず、馴染みながらも、
キッチンを引き立ててくれる壁として、大きめのタイルを選定。
モノトーンにすることで、全体の統一感を出してます。
そして。
キッチンに合わせて、光沢があって深みのある表情で、
比較的フラットに見えるようにセレクトしています。
ここに、光沢のないタイルだったら。
細かく分割されたモザイクタイルだったら。
アクセントカラーだったら。
なかなか想像できないかもしれませんが、
今の見え方とは、全然違ってきますよ。
もちろん。
このタイルが好き!というこだわりがあるのであれば、
それに合わせて、キッチンの色や光沢を調整したり、
周辺の壁とのバランスを考えたりすれば、採用はできますから。
せっかくですので。
好きだからといって、いろいろ取り入れすぎて、
チグハグになってしまわないように気を付けましょう。
少し別の事例を見てみましょう。
同じブラックでツヤのあるキッチンですけど、
先ほどとは違って、グレージュのタイルにしていますよね。
写真の具合で、ベージュが強く表現されていますが、
実際は、もう少しグレー寄りです。
お客様との打ち合わせでは、最初、グレーになっていました。
ただ。
お客様が、床全面に、ライトグレーで石目のタイルを採用したい
ということになったんですよね。
当初セレクトしていた、グレーのタイルを組み合わせたところ、
統一感を通し越して、同化しすぎていて、
せっかくの壁を生かし切れていないと感じました。
そこで。
同じグレーでも、ベージュが少し混じった、グレージュを御提案した
ところ、とても気に入られて、このタイルになりました。
もう少し大きめでもよかったのですが、この色合いで
光沢のあるタイルが、この大きさのみだったので、
こちらを採用としました。
こんな風に、キッチン背面の壁がある方。
ご予算にもよりますが、タイルを採用してみてはいかがでしょうか?
全体とのバランスを見ながら、自分の好みを取り入れながら、
納得の仕上がりにしてくださいね。