建築家・ナイトウタカシさんのブログ「大正ロマンを体感してみる!」

大正ロマンを体感してみる!

2021/03/31 更新

昨日、一枚目のすごい階段のある家を見学してきました。



日本の女優第一号として名を馳せた「川上貞奴」と

電力王と呼ばれた「福沢桃介」と建てたのが、この住宅になります。



現在は、文化のみち二葉館として、一般公開されていて、

入場料を払えば、だれでも入って見学することができます。



詳しくは、こちら。



文化のみちへようこそ | 文化のみち二葉館【旧川上貞奴邸】
www.futabakan.jp


大正時代に建てられた和洋折衷の建物。



大正ロマンを感じられる空間ということで、その空気感を感じつつ、

建築的に、どんなつくられ方をしているのかを見てきたんです。



ずいぶん前に、一度来たことはあったのですが、

そのころは、まだ実務経験もなかったこともあって、

いろんな意味で、見るポイントがわかってなくて、

ただ、漠然と見たという印象。



正直なところ、記憶はほとんどない状態でした。



今は、おかげさまで、いろんな実務経験を積んできてることと、

その空気感を、実際の家に取り込みという具体的な目的があったので

以前とはくらべものにならないほど、多くのことを学ぶことができました。



何を学んだかはさておき(笑)



せっかくなので、その一部をご紹介していきたいと思います。



二枚目は、サロンから勝手口へとつながっていく廊下。



まずは、床をご覧ください。

ここ数年、流行しているヘリンボーン張りの無垢フローリングですね。

和な空間で使う張り方でないので、洋風な要素になります。



そして、窓。

縦長の上げ下げ窓があって、その窓周りには装飾があります。

開き勝手も、装飾も、やはり洋風な要素になります。



次に。

床をよく見ていただくと、途中から、直線型のフローリングに

切り替わっていますよね。



実は、床が切り替わっているところから奥は、

いわゆるバックヤードになるスペースということで、

和の空間になっているんです。





少し場所は違うのですが、こんな風に数寄屋風の和空間が

しっかりとあったりもします。(三枚目)



といいつつ。

吊り下げられたペンダント照明の装飾が、洋風なデザインだったり。

写真に写っていないのですが、写真の手前側には、

縁側があって、先ほどの上げ下げ窓が並んでいたりします。



一言で和洋折衷といっても、いろんな折衷のカタチがあるのですが、

こちらの住宅では、和と洋の空間は、それぞれ内部と外部まで

しっかり作りこまれていて、その二つがそのまま合体した感じでした。



来客をおもてなしするサロン(大広間)や食堂には、

その時代の空気を感じさせるデザインで満ち溢れていました。



なんだかんだと1時間以上。

しっかりと見学して、いろんなことを吸収できました。



まだまだこういった空気感を体感できるところがあります。

時間をつくって、見に行ってみようと思います。





歴史に学ぶ。

とても大事だなって思いました。

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