建築家・ナイトウタカシさんのブログ「オンリーワンな玄関をつくる!」
オンリーワンな玄関をつくる!
2021/03/24 更新
玄関に入った、視線の先には。
光で満たされた光庭。(一枚目)
そして、植栽が目に飛び込んできます。
まだ、植栽を植えたばかりなので、この大きさですが、
数年すれば、もう少し葉ぶりがよくなって、
まるで絵画のような美しさで、玄関を演出してくれると思います。
玄関って、ただ靴を脱いだり、履いたりするための通路
ではありません。
確かに。そういった機能は持っていますが、
それだけにしておくには、もったいない。
外と家の中の接点になる場所であり、
家を印象付ける大事な空間の一つなんです。
一枚目の家では、その玄関に光庭を設けることで、
明るく開放的な印象にするとともに、
植栽によって、表情豊かな空間を実現しています。
奥に抜けるような仕掛けでもよかったのですが、
お客様の好きな丸窓をアクセントに取り入れています。
実は。
この光庭は、玄関からだけでなく、LDKからも見えるように
配置しているのも、ユニークなポイントだったりします。
二枚目の玄関はどうですか?
実は。
広さは、さほどでもないんです。
ただ、その広さを感じさせません。
お分かりだと思いますが。
正面の大きな窓から、奥へと視線が抜けていることが
とても効いています。
先ほどの事例は、視線を奥へとつなげるのではなく、
植栽で視線を集める感じ。
こちらでは、せっかく視線の先が、
これだけ抜け感のある風景が広がっているので、
大きな窓を設けて、その抜けを取り入れています。
正面を全て窓にしたら、もっと抜け感があったのでは?
という声が聞こえそうです。
そうしなかった理由が二つあります。
一つは、壁のあたりに、隣家が見えてしまうこと。
窓を大きくしても、隣家が見えてしまったら、
この抜け感が軽減してしまいますから。
もう一つは、構造的に、ここに壁がほしかったから。
私が関わらせていただく家は、全て、すごい耐震性能を
持たせています。
大事な家ですから。しっかり耐震は確保した方がよいですから。
いずれにしても、これだけの抜け感があれば、
床面積以上の広がりを感じることができそうです。
三枚目の玄関はユニークですよね。
奥のシューズクロークへと土間がつづいています。
その細長い土間に、自転車をおけて、メンテナンスなんかもできます。
自転車に限らず、ちょっとした屋外の作業もできますね。
そうそう。
こちらの家は、敢えて大きな窓を設けていません。
グレイッシュな壁や天井、床仕上げといったインテリアなので、
明るすぎてしまうと、その色が飛んでしまって、
グレイを感じにくくなってしまうためです。
ただ、真っ暗というのもどうかということで、
足元を照らす地窓を設けています。
ほどよい暗さと明るさをもたらしてくれます。
こちらは、玄関という機能だけでなく、自転車のメンテ等、
多目的に使える場所としています。
いずれの事例も、さほど大きな玄関ではありません。
それでも。
ちょっとした工夫をすることで、自分だけの、
自分らしい玄関を実現できますよ。
いろいろ考えてみてください。