建築家・ナイトウタカシさんのブログ「屋根のラインをきれいに見せる!」

屋根のラインをきれいに見せる!

2021/03/19 更新

とある家づくりの現場です。



足場の隙間から見えているのは。。

玄関周りの庇なんですよね。



本体の屋根もそうなんですけど、

軒のラインを御覧ください。



といいつつ。

パッとご覧になっても、わからないですよね(笑)



実は。

とっても細くしてもらっています。



和をベースにした和モダンな家の場合、

この屋根のラインって、とても目につきます。



何も意識しなければ、20-30cmくらいの幅になったりすることも。



もちろん。

ドッシリとした重厚な感じの見え方を求めるのであれば、

それでもよいのですが、こちらはそうでもありません。



屋根が瓦でなく、ガルバニウム鋼板で、しかも緩い勾配にして

軒裏をしっかりと意識できるようにしています。



ドッシリというよりは、軽やかな印象がフィットします。

やぼったくならないよう、シャープなラインにしてるんですよね。



実は、この勾配や軒の薄さは、外観デザインにとっても

変化をもたらせてくれます。



この家の周囲には、昔ながらの和風の家があったりします。

でも。

明らかに和の要素で構成されているのに、

周囲とは、一味違った見え方になると思います。



その一端が、一枚目の写真から見え隠れしているので、

これから、できあがってくるのが、楽しみです。



ちなみに。

以前、別のお客様から聞いたお話で、

某デザイン工務店の社長が、軒のラインは薄くするのが鉄則!

だなんていっていたと聞きましたが、一面的です。



重厚なデザインを求める方には、薄いより

分厚い方がかっこいいと思いますから。



どんな雰囲気の家にしたいのか。

素材はなんなのか。

その辺をしっかりと見極めながら、最善のつくりかたが

できるといいなと思います。





和風つながりで。



昨日、名古屋市の大きな図書館へ行ってきました。

もちろん、休憩や遊びじゃないですよ(笑)



今、家づくりをされているお客様との話の中で、

近代和風建築(明治から昭和初期)について

調べる必要が出てきたからです。



書店でもいいのですが、図書館って、

新しい書籍に限らず、相当古い書籍まで蔵書してます。



特に、マニアックな内容ともなると、書籍が絶版になってる

ことも多いため、図書館をよく使うんです。



近代和風建築の書籍って、相当マニアック。

私が探していたのは、絶版になっていて、図書館にしか

ない代物だったので。



いろいろ調べて、発見しました。



新しい情報は、もちろん大事なんですが、

古いものの中にも、とても重要なことがあったりします。



古きよきものから、型を読み取って、それを咀嚼して、

今の時代に生かす。



そんなことができるといいなと思っています。



実は、近代和風建築は、大学時代の研究テーマ。

そういうのって、巡り巡ってくるもんですね。



ただ、研究ではなく、実践なので、気合が違います(笑)

いやいや。目的が違うので、ある意味楽しいです。



そういった勉強の機会をいただけると嬉しいですね。

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