建築家・ナイトウタカシさんのブログ「生活スタイルの変化に家を合わせる」
生活スタイルの変化に家を合わせる
2021/02/17 更新
一枚目。
とある家のリビングから玄関をホールを見ています。
手前の黒いモノがテレビ。
その背面の壁は、ジョリパットという塗材による左官仕上げ。
その奥、ホールの壁面に採用しているのは、
大判の磁器質タイルですね。
グレイッシュな色合いがきれいな上に、
各々の素材の質感が重なって、美しいですね。
それともう一つ大事なポイント。
ホールとリビングの間には、戸があるはず。
でも。あるように見えませんよね。
そうなんです。
戸の枠がないんですよね。
それがないおかげで、スッキリとして洗練とした印象に。
ミニマルなデザインの真骨頂ですね。
いきなりそんな話でしたが(笑)
昨日、こちらの家の定期点検に、工務店と行ってきました。
お客様が気になってるところをヒアリング。
たとえば。
イスを壁にぶつけたりしてへこんでしまった。
建具の動きをもう少しスムーズにしたい。
といったこともありましたが、印象的だったのは、
コンセントについての御要望でした。
ここ最近、ご主人がパソコン類を使う機会が増えてきて、
スタディコーナーで作業している際、コンセントが不足するとのこと。
スタディコーナーのカウンター上のコンセントだけでなく、
カウンター下にコンセントを増設したい。
工務店とも相談して、追加可能だということになりました。
何年も暮らしていくと、御家族の生活スタイルが変化していきます。
もちろん、当初からわかっていればよいのですが、
時代や暮らし方で、変化していくこともあり得ます。
増築するといった大胆な変化は難しいとしても、
コンセントの増設や間仕切の追加等、それに応じて
できる範囲で、対応していきたいですね。
そうそう。
点検している中で、中庭にあるオーニングを動かしていただきました。
大きな窓の外側に、オーニングがあると便利です。
張り出せば、夏の暑い日差しは遮れますし
冬には格納して、光をいっぱい取り入れることができます。
軒の出のある和風なデザインであればそれで事足りますが、
箱型のモダンな建物には、こんな仕掛けもオススメです。
ちなみに。
その奥に見えている外付けのブラインド。
こちらも、光のコントロールには適しています。
光の取り入れ方には、いろんな方法があるんですよ。