建築家・ナイトウタカシさんのブログ「玄関までのアプローチを演出するには?」
玄関までのアプローチを演出するには?
2021/01/24 更新
一枚目。駐車場から玄関への裏動線(家族用アプローチ)です。
来客用ほどゆったりとしていませんが、
つうこうするには支障のない幅になっています。
向かって左手。
この角度だとわかりにくいのですが、縦格子にしています。
この格子。目隠しという意味合いがつよいんですけど、
完全にふさがった壁に比べると、圧迫感が軽減されています。
裏動線に使う通路とはいえ、窮屈な感じでない方がよいですから。
また、見た目だけでなく、風通しがよくなるため、
夏場には、気持ちのよい空間になると想像できます。
もう一点。
天井を見てください。
天井を低くフラットにせず、梁や桁を見せてることもあって、
高さ方向にも開放感が感じられるようになっています。
二枚目はどう感じますか?
向かって左側の壁は、思い切って、ふさいでしまっています。
というのも、左側に道路があって、そこから玄関を見られないように
するためです。
完全にふさいでしまっているので、一枚目の通路幅では、
かなりな圧迫感になってしまうため、通路自体を広く確保しています。
それだけでなく、奥へと抜けていく視線をつくって、
その抜け感で、より開放感を感じてもらうように意図しています。
天井をフラットにして、高さを抑えてるので、
この奥への抜け感が、とても効いているんですよね。
三枚目はどうでしょう??
通路の幅は、一枚目と二枚目のちょうど中間だったりします。
奥は詰まっていて、天井もしっかり押さえています。
これで、さらに壁を立ててしまうと、かなり窮屈になります。
なので。
思い切って、壁のない開放的な造りにしています。
ちなみにですが。。
右側の開放されてるところは、その高低差にもよりますが、
手摺を付けることもありますよね。
その場合、その手摺自体を、抜け感のあるタイプにすると、
こちらで感じている開放感を残すことができます。
道路から玄関までのアプローチ。
あまり窮屈な感じにならないよう、その幅や抜け感、
天井の作り方等、しっかり考えるといいですよ。
それによって、家自体の印象がずいぶんと変りますから。