建築家・ナイトウタカシさんのブログ「たかが階段。されど階段。」

たかが階段。されど階段。

2021/01/03 更新

昨日のブログは、階段特集だったのですが、

反響が大きかったので、もう少し階段のお話です。



一枚目の家。

LDKの一角に階段があります。

ちょうど吹抜けの中にある感じです。



開放感がすごいですよね。



L字型で、こんな風にスケルトン階段にするには、

鉄骨階段になりますね。



というのも。

木製ですと、曲がっている部分を構成できないからです。



それと。

軽やかに、さらっと階段が据えてあるように見えますが、

実は、周りの壁と、かなりしっかりと固めてるんですよ。



固定するために、わざわざ専用の柱を入れてますしね。



そういった配慮がなされていないと、階段が揺れます。

こわっ。。

そもそも、鉄骨自体は、とても揺れやすいので、当たり前ですが。



直線の場合は、まだよいのですが、折れてる場合は、

しっかり固定しておきたいですね。



ちなみに。

その固定方法を知らずに作って、揺れが気になるとなった場合。

階段下に、鉄骨の柱を設置しないといけません。

せっかくの浮遊感が台無しになりますので、ご注意ください。



そうそう。話は戻りますが、一枚目の階段。

黒い鉄骨の板から、少しですが踏み板を出しています。

これ。

お客様のこだわりだったりするんですよ。



正面から見た時に、真っ黒じゃない方がよいそうです。

面白いアイデアでした。



二枚目の階段は、一枚目と上り方は一緒ですよね。



先ほど説明した通り、構造的なことがあって、

木製の階段の場合は、途中までをスケルトンにできないんです。



ただ。

途中からだけでも、スケルトンにできると、

開放感がありますよね。



こちらの家では、もともと階段下を収納にしていたのですが、

階段が玄関ホールと隣接するカタチだったので、

スケルトンにして、ゆとりを持たせようということになりました。



実際、こちらの家の玄関おホールって、ゆったりしていて、

そこで何か寛げそうな広さになってます、



無駄に感じる方がいるかもしれませんが

こういったちょっとしたゆとりに空間があると、

窮屈な感じのない、ゆったりとした雰囲気になります。





三枚目の階段は、色を白くしてます。



何をやってるのかというと。。

階段を目立たせるのではなく、溶け込ませてるんですよね。



こちらの家は、床が白い大理石なんですけど、

その中に、いきなり木目やブラックの階段というのも

フィットしないんですよね。



とはいえ、大理石でつくるわけにもいかず、

木製で、色を統一して、存在感を消しているんです。



もちろん、階段のカタチをしているので、まったく消せている

わけではないのですが、気にならないくらいにはなりました。



手摺を白くしたり、透明の素材を使ったのも、

その主旨に合わせて選定しています。



ちなみにですが。

白いからといって、真っ白にはしていませんよ。



床面を真っ白にすると、汚れが気になりますから。



少し木目を残した、白木目にして、埃等が気になりにくい

配慮もさせていただいてます。





まだまだ、いろんな階段がありますね。

いろんなデザインの家づくりをたくさんさせていただいたからこそ、

いろんなデザインの階段をつくらせていただきました。



意外にも、こんなにいろんな階段をつくれる設計士さんは

多くないかもしれませんね。





たかが階段。

されど階段。



いろいろ楽しいです。

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