建築家・ナイトウタカシさんのブログ「開放的な吹抜けをつくる時に注意点!」
開放的な吹抜けをつくる時に注意点!
2020/10/14 更新
とある家づくりの現場です。
昨日、定例の打ち合わせへ行ってきました。
一枚目の写真は、リビングから吹き抜けを見上げています。
大きな窓があって、吹き抜け。
しかも、1階には大きな窓。
とても気持ちよくて、開放感がたまりません。
開放感とは相反して。。
夏の暑さと冬の寒さが気になりますよね。
夏の暑さについて。
吹抜けの大きな窓の上には、大きく軒を出しています。
これ。結構大事なんです。
どれだけ窓の性能を上げたって、太陽の光って強いんです。
なので、そもそも。夏の日射が入りにくくする
=軒を出すことがシンプルな解決策になります。
冬の寒さには。。
いろいろ対処方法はあるんですけど、こちらの家では、
断熱性能を上げること+全館空調を導入しています。
断熱だけでもいけないし、全館空調だけでもいけません。
見た目の開放感がいいからって、
何も考えずに、吹き抜けつくってしまうと、
毎日過ごすのに、大変な思いをすることになりますので。
二枚目は、別の家づくりの現場なんですよね。
全体のデザインが、和をベースにした和モダンということもあって、
屋根には、瓦を葺いています。
といっても、波打った形の和風な瓦ではなくて、
フラットな形状でラインがきれいな平瓦を採用しています。
このちょっとした違いで、見え方が全然違ってくるんですよ。
それと。
屋根の傾きも重要な要素になります。
瓦の屋根となると、雨仕舞から、割と急な勾配になることが多いのですが、
こちらの家では、かなり緩やかにしています。
もちろん。雨仕舞は、メーカーが大丈夫という範囲内ですが。
屋根の緩やかにすることで、屋根の瓦よりも、
軒裏(天井面)を見せる感じになります。
せっかくフラットな瓦を使ったのに?
はい。
ラインをシャープに見せながら、瓦を見せすぎないことで、
一風変わった和モダンな家になると考えています。
他では見ない、お客様だけの家にしたいですから。
そうそう。
三枚目は、昨日、ご紹介した、とあるショールームの工事風景。
大きな吹き抜け空間の中に、木軸のフレームを組んでいます。
今まで、漠然と広かった空間が、区切られることで、
空間にメリハリがつきます。
さらに、その素材感によって、人に近いというか、家に近いというか、
温かみのある空間を作り出すのに、大事な役割を担ってくれています。
ちょっとした仕掛けなんですけど、
それがもたらす効果って、すごいんですよね。
ここからさらに、工事が進んでいって、さらに大変身をする予定ですから、
楽しみにしてくださいね。