建築家・ナイトウタカシさんのブログ「道路と敷地に高低差。どうする?」
道路と敷地に高低差。どうする?
2020/06/08 更新
昨日、とある家づくりの打ち合わせへ行ってきました。
その際に話題となった話のひとつなんですが。。
こちらの家づくりでは、道路と敷地で、最大1.5mほどの
高低差があるんです。
駐車場は、高低差の少ないところでつくるのでいいのですが、
家は高台に建てたいので、その高低差は残ります。
つまり。
道路のつなげる必要はないんですが、
敷地を最大限広く確保したいということであれば、
道路境界線上に、土を留めるための擁壁が必要になります。
普通に、コンクリートブロック積んでおけばいいでしょう。
なんて、軽く考えてはいけませんよ。
よく、敷地の境界線上に、その境界を明示するために
積んだりするコンクリートブロックでは、弱すぎます。
弱い??
はい。
ブロック単体は、それなりの強さとしても、ブロックとブロックが
とこまで行っても、弱くなりがち。
その高さは、高くても、1mが最大なんですよね。
今回のように、1.5mとなると、普通のブロックでいけません。
それ専用で、強度の強いブロックが必要です。(一枚目)
そうすると。そもそも、基礎が全然違うので
コストも、ものすごく高くなります。
距離が長かったりすると。。。
100万円単位になったりするんですよ。
しかも。
敷地の条件によっては、開発許可申請という
とても手間のかかる許可申請が必要になるため、
その辺もネックになります。
何か方法はないのか??
ということで、昨日お話したのは、大きく二つです。
高低差を30度勾配にすれば、安全だという扱いになるので、
30度にして、その表面を芝生で仕上げる方法があります。
(二枚目)
見た目はとってもきれいですよ。
憧れますよね。
でも。。。
斜めなので、芝狩りがとっても大変なのと、
草が生えてくるのも避けられず、草刈がこれまた大変です。
30度って、結構な勾配ですからね(笑)
じゃあ。ということで。
大きめの石。
三枚目の画像は、割栗石ですね。
斜めなりに、防草シートを敷き詰めて、
大きめの石を敷き詰めていきます。
石が落ちていきそうな感じがしますが、
しっかりと密に敷き詰めれば、お互いの摩擦もあって、
結構しっかりとしているんです。
こうすると、草が生えても、根が張りにくいので、
ササっと抜けますし、増えていかないですね。
見た目は、芝に比べると、寂しく感じるかもしれませんが、
その辺はグッとこらえましょう(笑)
道路側に、1.5mの擁壁で圧迫感があるよりは、
ある意味、街並みにも貢献してると思いますよ。
こうすることで、余計な許可申請はなくなるので、
オススメです。
こういった土地は、結構あります。
もちろん、この方法が、全ての土地に有功ということでもない
のですが、やり方次第では、採用できますので、
専門家と相談しながら、検討してみてください。
そうそう。
こういった造成にする費用も、家づくりの予算には必要。
できるだけ予算をかけないようにできれば、
その分、家の方に予算を避けるので、
突き詰めて考えてみてくださいね。