建築家・ナイトウタカシさんのブログ「自然素材を使って家をつくるには?」
自然素材を使って家をつくるには?
2019/08/08 更新
一枚目。
ナチュラルで和っぽい雰囲気ですよね。
以前、家づくりに関わらせていただいた、とある家です。
見た目の雰囲気そのままですが、こちらの家。
自然素材を意識して採用しています。
自然素材を使えば、すべてがいいというわけでもないんですが、
やはり、出来上がった家を体感してみると、
明らかに空気の質が違ったりします。
それを確信するに至る、とっても印象的なエピソードがあります。
こちらの家づくりで、完了検査前が、ちょうど梅雨時期でした。
雨が降るか降らないかという天気で、湿度は90%を超えていました。
立ってるだけで、へんな汗が出てきて、湿った空気が
体に巻き付いてくる感じ。
ほぼ完成していた、こちらの家の中へ入ったのですが。。
空気がひんやりしてました。
しかも。
湿った感じは全くなくて、ちょうど、エアコンでドライ運転してる感じ。
あれ?先にエアコン設置したんだぁと思って
LDKへ行ってみると、監督が座って待ってました。
「エアコン付けたんですね。ひんやりして気持ちいいですね」
「エアコン?いや。つけてないですよ。」
「だって、この涼しさ。しかも、窓しまってるじゃないですか」
「何もないんですけど、こんな感じなんです」
そうなんです。
何もしていないのに、湿度がしっかりコントロールされていて
快適になっていたんですよね。
断熱・気密はしっかりしているのは大前提なのですが、
梅雨時期に、何もしなくてですからね。
床は、節のない、上質な杉の無垢フローリング。(二枚目)
肌さわりはもちろんですが、調湿性能もよいんでしょうね。
壁には、厚塗りした漆喰!(三枚目)
しかも、まがいものじゃないですよ。
純度の高い漆喰を、家全体に塗っています。
ちなみに。
漆喰は、ある一定以上漆喰の成分が入っていれば、
樹脂主体のものでも、「漆喰」に分類されています。
この辺は、業界の人でも知らない方が多いので、
注意してくださいね。
話は戻って。
家の壁全体を、純度の高い漆喰を厚塗りですからね。
すごい調湿能力なんだと思います。
天井は、厚塗りするのが難しいので、薄塗で仕上げています。
(薄塗できるのに純度の高いものはあります)
そうそう。
家の中の建具(戸)も、杉の無垢材を使って、すべて製作してます。
接着剤にも、しっかりこわだりました。
経験則としてなのですが、これだけしっかりと
自然の素材を使えば、年中快適に過ごせる家が
できるんですよ。
〇添加住宅とか、自然素材を売りにした会社でなくても、
しっかりそういった家は作ることができます。
ちなみにですが。
私は、事務所とは別に、アレルギーをお持ちの方の
家づくりをサポートしたりしています。
「すくわくハウス」
で検索してもらうとよいですね。
実は、アドバイザーのお二人は、その道のすごい人なんです。
そういった方々にしっかり教えていただいたことを
愚直に家づくりに反映しているんです。
一人でも多くの、アレルギーをお持ちの方々に
心地よく快適に暮らしていただけるようなサポートを
していければと思って、その活動をしています。