建築家・ナイトウタカシさんのブログ「車いすと暮らす家!」
車いすと暮らす家!
2019/03/01 更新
一枚目は、とある家創りの現場でのワンショットです。
こちらの家。
内部は概ね完成していて、すでにクリーニングが入ってます。
というわけで、最終的な仕上がりを確認してきました。
全体的に、きれいに工事してくれたようで、
大きな指摘もありません。
まもなく引き渡しとなるので、そうであってほしいですけどね。
一枚目の写真を見て、何か気が付きましたか?
パッと見ただけではわからないかもしれません。
実は、こちらの家。
車いすでの生活を前提にしているんですよね。
床は、きれいな木目なのですが、土足でも使える
堅いビニルタイルです。
車いす使用を想定するのであれば、この素材が一番よいです。
車輪で傷が付きにくいですし、走行もしやすいんです。
同じビニールでも、クッション性のあるタイプでないほうが
オススメです。
それと。
床と壁の取り合いにある巾木。
普通の家の高さは6cmほどなのに対して、
こちらは30cmあります。
しかも。床と同じく、とても固い素材。
車いすをぶつけやすい場所は、そういった配慮が必要です。
引き戸にも同じく、補強プレートが取り付けられてます。
引き戸の幅も、ずいぶん広めの設定です。
二枚目は、洗面台。
車いすで奥までいけるように、足元がスッキリしたタイプ。
このシリーズは、水栓のハンドルが左右いずれにも
取付できるのがいいですね。
そうそう。
奥に見えてる部屋はトイレ。
ゆったりとした広さなので、車いすでもアクセスしやすい。
改修前の家では、この開放感は想像できなかったと思います。
こちらでは、戸建の家を、フルリノベーションしたんです。
内部をすべて解体して、間取も大きく変更しながらも
耐震診断→補強をして、安全性を確保して、
さらには、断熱をしっかりとしました。
車いすでも、安心して、快適に暮らしていただけるのでは
と思います。
そうそう。
三枚目は、家へのアプローチ。
当然ですけど、車いすでアクセスできるように、
スロープを確保しています。
というか。
昨日、雨だったのですが、ブルーシートで屋根をつくって
土間のコンクリートを打ってくれてました。
(レアなケースですが)
何とか、引き渡しの時に、家へアクセスしていただけそうです。
車いすの方の家創り。
そういった家創りも、しっかりサポートさせていただいてます。
喜んでいただけるといいなと思います。