建築家・ナイトウタカシさんのブログ「ミニマル=美しさ」
ミニマル=美しさ
2017/12/26 更新
一枚目。
静かに光る壁。
スリット状の窓。
建具に写り込む壁。
腰高に設けた間接照明をしっかりと生かすため、
空間を構成する要素をしっかり検討して決めています。
壁を照らす間接照明は、
器具の取り付け位置によって、
光の広がりが違ってきます。
現場で、しっかりと検証して、
最適な光の広がりを実現しています。
また、濃い目でツヤのある建具に
間接照明が写り込んでいるのは、
想定外ですが、とても美しくなりました。
ミニマルな表現だからこそ、
こういった静かな雰囲気を実現できました。
強化ガラスで仕切られた階段。(二枚目)
そのガラスと壁や床との取り合いは
とても重要です。
何も考えなければ、アルミやステンレスの枠が
ぐるっと回ってしまいます。
そういった余計なラインを消し去る
ミニマルなデザインを貫いています。
ただし。
枠をなくてしまってるわけではありません。
きれいに見せるためだからといって
機能性を損ねては、本末転倒です。
同等以上の機能性は持たせつつ、
ミニマルにしていくことは、難しくもあり、
美しく見せる醍醐味でもあります。
モノとモノの取り合いだけではありません。
ドアのハンドルや引手から、
窓の高さやドアの高さまで、
いろんな要素にも、そういった考え方を貫けます。
三枚目。
和室は着座することから、
その視線からの風景を意識して、
植栽を計画したり、窓のバランスを決定しています。
ミニマルな表現は、シンプルとは違います。
単純にするのではなく、美しくするために
様々な工夫をして、そぎ落としていくことです。
なので、ミニマルなデザインには、美しさが宿るんだと思います。
ミニマルなデザイン。オススメです。