建築家・ナイトウタカシさんのブログ「建築家の役割はデザインだけじゃないんです」
建築家の役割はデザインだけじゃないんです
2015/10/22 更新
昨日は、とある家創りの現へ行ってきました。
外部は、すっかり家らしいカタチになってきています。
大きな屋根が特徴的な、和モダンな家なんですよね。
最近、お客様の個性に応じて、
いろんなデザインの家を設計させていただいているのですが、
和の強いモダンな家は久しぶりなので、ワクワクします。
実は、昨日、こちらの現場で、「中間検査」という検査がありました。
建て方が完了したら、確認申請通りに
工事が進んでいるのかを、確認検査機関が入ってチェックするんです。
もちろん、施工者、設計者もチェックするのですが、
さらに第三者の検査が入れば、間違いないですからね。
基礎の工事写真から、
鉄筋の状況、コンクリートの強度試験結果、地盤補強の報告書等など
書類をひと通りチェック。
その後、現場検査になりました。
まずは、筋交いと呼ばれている
耐力壁の位置等の確認です。
位置や筋交いの向きや、構造用合板の釘の径やピッチまで。
ほんと細かくみていきます。
筋交いの両端には、金物で補強するのですが、
その補強も全数、しっかり固定されているのかを見ていきます。
ちょっとわかりにくいのですが、三枚目の写真は
ホールダウン金物という、柱と基礎を固定する補強金物なんです。
最近の木造建物は、柱と土台や梁、梁同士等など
基本的に金物で全て補強していくんです。
設計の時に、その金物も、使う場所によって、きちんと計算されて
決定されています。
それを、ひとつずつ、丁寧に、確認していくんですよね。
検査は、何と、1時間半!!
ほんとじっくり見ていただけました。
数点指摘もあったのですが、
現場ですぐに対応して、問題なし!
これで、安全な家になりますよね。
建築家との家創りの、大きなメリットの一つは、
この工事をチェックすることにあります。
建築家=デザインというイメージは
間違っていないのですが、それだけではありません。
工事が設計通りに進んでいるのかを
客観的にチェックして、指摘できることなんです。
もちろん、第三者機関がチェックするのですが、
二人よりは三人で違う視点から
チェックすることには、とても大きな意味があると思います。
いくらいいデザインでも、
それが適切に工事できていなければ、
御家族が暮らしていく家としては、よくないはず。
お客様の立場に立った、お客様の代理者としての役割を
担えるのは、やはり建築家ならではだと思います。
もちろん。
経験がものを言いますので、ある程度の家創りに
携わって、しかも、きちんと監理のできる建築家がお勧めですよ。
いい家創りにしたいですから。