建築家・相川直子+佐藤勤さんのブログ「住宅展示場と、どう付き合う」
住宅展示場と、どう付き合う
2025/01/31 更新
家づくり中の人が住宅展示場で注意すべき点はいくつかあります。
1 家づくりのスタートとしての住宅展示場
家づくりを始める方の多くは、まずは何をされるでしょうか。
多くの方がハウスメーカーの住宅展示場に行くか、
ショッピングモールなどで開催される不動産業者の住宅フェアーに参加されるようです。
私たちのような設計事務所へは、その後にいらっしゃることが多いです。
みなさん、住宅展示場で少なからず違和感を感じるようです。
「せっかく家を建てるのだから……」との思いで声をかけてくださいます。
それでも、最新の技術や流行のデザイン、
ローンや補助金など大手ならではのアドバイスに触れることができます。
設計事務所に家づくりを依頼するつもりの方でも、
まずは、住宅展示場を覗くことをおすすめします。
2 住宅展示場での3つの注意点
それでも、訪問時の注意点がいろいろとあります。
なぜなら、プロの広告代理店や大手の企業が作った展示施設です。
家づくりをこれからしようという人にとってよく見えないわけがないのです。
夢や希望が満載です。
よく見えすぎちゃいます。
僕らが見ていても、上手だなと感心させられます。
なので、特に重要な3点を以下に挙げさせていただきます。
① モデルハウスはあくまで「見本」であることを理解する
住宅展示場に建てられているモデルハウスは、
その会社の技術力やデザイン性をアピールするための「見本」です。
そのため、間取りや設備などが、
そのまま自分たちの家づくりに反映できるとは限りません。
モデルハウスに採用されている設備や内装仕上げは、
高額なオプション品や参考展示である場合があります。
標準仕様で何が含まれているかの確認が必要です。
住宅展示場は、一つ一つのモデルハウスを理想的に建てるために区画されています。
間取りは、その会社の標準的な間取りであることが多いようです。
理想的な敷地に、理想的な家族が住むわけがありません。
家族構成やライフスタイルに合わせて、間取りは自由でありたいもの。
当然、間取りや構造にはメーカーごとに制限があります。
イメージ優先のモデルハウスも多いようです。
建物の構造や性能については、説明員に詳しく説明してもらってください。
実は、どこも大差がないことに気づいていただけると思います。
② 説明員の話術に惑わされない
住宅展示場では、説明員が積極的に話しかけてくることが一般的です。
実は、僕はあの流れるような営業トークが苦手です。
どんどん冷静に判断することが難しくなってくる。
なかなか、不明点や疑問が解消されませんが、
その場でしっかりと質問することが大切です。
万能な家の作り方などありません。
デメリットもあるはずです。
冷静に話をしてきてください。
また、その先で契約を急かされたりしたら注意です。
「キャンペーンです」とか、
「○○までに契約いただくと」とかの話に流されない方が絶対いい。
先方が急ぐのには、先方の事情があることが多いからです。
見学の目的を明確にして見学には臨みましょう。
③ 複数のハウスメーカーだけでなく地元の工務店や設計事務所なども比較検討する
住宅展示場には、複数のハウスメーカーが出展しています。
見ているうちに「早く決めなきゃ」という気分になりがちです。
でも、ちょっと待ってください。
他にも、地元の工務店とか私たちのような設計事務所とか選択肢は様々あります。
何かを決定する前に、他の選択肢を検討してみてください。
比較検討のポイントはいくつかります。
間取りの作り方、価格、構造、デザイン、アフターサービスなどなど。
最後に、
筆記用具とメモ帳を持参した方がいいです。
聞いたことない言葉や紛らわしい言葉、専門用語がたくさん出てきます。
展示場見学は楽しいのでウキウキしがちで、
細かいことは飛ばしがちになります。
注意。
また、家族全員で行ってください。
家づくりは、家族全員の問題です。
ここ飛ばすと、家づくりうまくいかないことがあります。
以上、これらの点に注意しながら、住宅展示場を有効活用してください。
そして、自分にとって最適な家づくりを進めるために、じっくり考えてください。
その上で、住宅展示場に行くように私たちの無料相談にお越しください。
何も決まっていなくとも大丈夫です。