建築家・相川直子+佐藤勤さんのブログ「コラム:はじめての家づくり 49」
コラム:はじめての家づくり 49
2022/02/22 更新
コラム:はじめての家づくり
その49設計事務所との家づくりの流れ 05 設計契約に向けて
こんにちは。
家族の時間を大切にした住まいづくりをする相川佐藤建築設計事務所の佐藤勤です。
ハンモックやのぼり棒など生活に彩りのある提案をする建築設計事務所です。
柏市や松戸市、我孫子市を中心に家づくり設計活動中。
とにかく図面上で夢想してみてください
設計事務所をチョイスするときに、まずは面談をしてみてくださいというお話しをしてきました。
そして、可能なれば初回提案を希望されてはいかがでしょうか。
無料の初回提案をお作りしますので、お渡し・ご説明のために再度事務所にお越しください。
渾身の力でご提案する初回提案。
時間や与条件など制約のある中ですが、口頭だけでは体感できなかった実感というかリアルを感じることができたと思います。
家づくりが動き出した瞬間でもあります。
事務所で一通り説明を受けたら、図面・模型共にお持ち帰りください。
しばらくああでもない、こうでもないと眺めてみてください。
できることならお子さんや親族、友人・知人にもみていただいて、一緒にお話をしてみてください。
特に家づくりの経験者からは(個人目線のバイアスがかかってはいますが)色々と貴重な意見や体験談を聞くことができます。
みな立ち位置が違うので、勝手なことを言いますがそれはそれ。
自分だけでは気がつかないような着眼点があったりします。
『カーサ・ブルータス』などのライフスタイル誌や建物探訪などのテレビプログラムにより、建築は一般の方にとっても興味の持てるテーマとして浸透しています。
建築家が自ら携わった建物をTVのバライティー番組で紹介するなんて珍しくなくなりました。
僕らが子供時代には考えられないことです。
今では一般の方も複数人の著名建築家・建築デザイナーの名前を知っていますし、その仕事内容も理解しています。
なので、一億総建築評論家というか総生活アドバイザー? 総収納アドバイザー? だったりします。
あなたの手にしている初回提案へのコメントはなんでしょう。
デザインの話でしょうか? 日々の生活の話でしょうか?
あるいは背伸びした要望をたしなめられたりするのでしょうか?
単に羨望の眼差しを向けられるのかもしれません。
そうした話を聞いていたりすると、かえって冷静に提案を眺めることができたりします。
じっくりと眺めてください。
ポイントはどこ?
改めて、家づくりのモチベーションを確認してみてください。
何のために、どうしたいために家づくりをはじめたのか?
そのモチベーションによりここに土地を買い、家づくりをスタートさせました。
今一度、自分の通勤の視点からどうか、子供の通学的にはどうか。
車主体の生活か公共交通機関を使った生活か。
家族の中で、何を優先してきたのか、あるいはこれから何を優先していくのか?
今の生活の流れとマッチしているか?
クリスマスツリーはどこに飾るのか?
客人が来たら、親が泊まりに来たらどうする。
この家で一日過ごすことを思い、1週間、1ヶ月、半年、季節の移り変わりを思います。
そして1年、2年、5年、10年、15年、20年、25年後の自分は?。
家族の成長やそれぞれの冠婚葬祭。
気になることや矛盾することなどに気づくと思います。
検討・調整・アウトプットは、これからの家づくりのプロセスの中でひとつひとつ取り組んでいけます。
まずは、その取組みを私たち設計事務所でするかどうかの判断をお願いします。
2週間程度で、一区切りつけてください。
あまり時間があっても、混乱しますし、決断が難しくなります。
設計事務所との家づくりメリットとデメリット
ちょっと復習を。
設計事務所を家づくりのパートナーにするメリットとデメリットは何か。
メリットは、
1 自由度の高い建主のための設計案を提案する。
2 建主サイドに立って相見積りを含め適切な工事金額の調整をする。
3 建主サイドに立って施工者の工事内容を監理する。
4 工事に入ってからの変更に対応ができる。
5 細部まで建主の意向に従い検討・設計されているので適切なメンテナンスが計画的に行える。
デメリットは、
1 自由度の高い個別設計なので、それ相応の時間と費用が必要。
2 設計が完了するまで、工事費が確定しない。
図面+ラフ模型+参考予算をもとに、ここでできる選択肢は3つです。
まずは初回提案でワクワクすることができたので、先に進もうという選択肢。
その場合は、スケジュールを確認しながら、私たちへの設計依頼を約束いただく設計契約をしていただきます。
設計料については次回お話しさせていただきます。
もう一つは、提案は良かったがもう少し考えて、追加修正することで良くなるかどうかもう少しみたい、というちょっと先延ばし型の選択ですね。
これはまだ無料提案の範囲で対応いたします。
(もちろん可能な範囲でとなりますが)これまでの提案に手を入れ可能性を確認・実感いただき、ご納得、ご安心いただけるところまで無料相談を続けさせていただきます。
そして、可能であればその先で設計契約をお願いいたします。
最後がせっかくの提案だったが、縁がなくここで終了するパターンです。
ちょっと世知辛いですが、この場合に限り、お渡しした図面、模型など提案資料一式の返却をお願いいたします。
とても残念ですが、これからの良い家づくりをお祈り申し上げることになります。
しつこく追い回したりすることはありませんので、ご安心を。
お互いに常識の範囲内での大人な対応をお願いしたいところです。
(この項、次回につづく)
2022/02/18 佐藤 勤 記