建築家・相川直子+佐藤勤さんのブログ「はじめての家づくり その46」

はじめての家づくり その46

2022/02/04 更新

コラム:はじめての家づくり
その46 設計事務所との家づくりの流れ2

こんにちは。
心地よさを大切した住まいを提案する相川佐藤建築設計事務所の佐藤勤です。
住宅設計を中心とする女性建築家・相川直子の在籍する建築設計事務所です。
谷根千を根城に千代田線沿線で家づくり設計活動中。
フルオーダーの新築戸建て住宅からリフォーム・リノベーションまで
住空間の設計依頼をお待ちしています。

                ○

前回は、もし設計事務所を家づくりのパートに選ぶと、どんなスタートとなるかというお話をしました。
ご相談の流れに入るためのお話でした。
今回は、まずは一通りの流れ「フロー」を俯瞰的に眺めてみます。


まずはお話をしませんか?


前回は、まずは連絡をして、とにかく直接会ってみてくださいというお話でした。
家づくりは1年近くかかる長丁場ですし、大きな金額が動きます。
大切なことは色々とありますが、一番は建主さんと設計事務所の相性だと考えます。
その確認のためにも、直接お会いになることをお勧めします。

私たちの事務所の経験からすると、だいたい皆さんホームページを介してメールでコンタクトいただきます。
建築のポータルサイト経由という方もいらっしゃいますが、結局、弊社ホームページの問い合わせフォームからとなります。

連絡をいただくと、お会いする(面談)日程調整となります。
あるいは、事前に無料資料送付を希望の場合はそちらをお送りしてからの面談となります。
家づくりの条件も進行状況もみなさんそれぞれ違います。
面談ではそれぞれにあった形でお話を伺います。
ものすごく具体的なケースもありますし、漠然として何も決まっていないこともよくあります。
面談で双方の相性を確認いただき、お話を進めるがどうか判断をいただきます。
家づくりのお話をさらに進める場合には、無料提案をお作りいたします。
そして、時間をいただき、後日改めて来社いただきます。

初回無料提案は、簡単な間取りと外観のイメージなどがわかる図面とボリュームがわかる模型、サックとしたスケジュールや概算工事費などでお話させていただきます。
こんな感じのものが、このくらいの期間でおよそこれくらいのお金でできますよというもので、イメージ理解のためのものです。


納得がいったら設計契約を


提案はお持ち帰りいただき、ご家族とじっくり検討ください。
そして今後についてイメージください、スケジュールやローンなど……。
ご家族でご相談いただき、以降、お話を進める場合、「設計契約」をお願いします。
ここで初めて費用が発生します。

設計契約後には、初回提案をもとに基本設計がスタートします。
基本設計は大きな設計方針を詰め、住まいの基本となる「間取り」の決定が中心となります。
これに並行した設備や構造の検討をしていきます。
図面でのやり取りを重ねながら、細部の設計を具体的に詰めていく段階の、実施設計に移っていきます。
とにかく、希望や要望をこちらに投げてください。


見積りを経て工事費が判明


実施設計が進んでいくと、実際の壁の量や機器が決まっていきます。
コンセントやスイッチ、設備などの位置・仕様を決めるのもこの段階でです。
これによって、概算ではなく具体的な工事費を出せる段階になります。
ある程度まとまってきたら本見積りを工務店に依頼することになります。

見積りに並行して確認申請の準備を進めます。
そして、見積りの検討・調整後、施工する工務店を選定します。
設計の選定と同じく、施工者も相性が大切です。
特に施工後も長く付き合い工務店とは付き合うことになりますので、慎重に。


いよいよ着工


工事金額が決まると、工務店と工事契約となります。
次いで、確認申請が済めばいよいよ着工です。
まずは地鎮祭。
続いて上棟式など神事もあります。
現場が始まると、結構なスピードで時間が流れていきます。
引渡し後の準備もありますし、現場では細かいところの調整がまだ残っています。
住所変更や電話の移設、インターネット回線の手配、子供の転校手配など驚くほど手配しなくてはいけないことがあります。

設計事務所では工事が始まると監理業務がスタートします。
図面に書かれているように適切に施工されているかどうかと、図面を片手に現場をみて回ります。
構造はもちろんですが、断熱材や雨仕舞いなど細かく細部を確認するのが監理です。
適切な工事確認のための目視だけではなく、監理レポートで記録・報告を行います。
私たちの事務所の場合は、だいたい週一の定例打合せを現場で行い、監理を行います。
工事も大詰めになってくると、バタバタと多くの業者さんが出入りすることになります。

引き渡し前には、私たちの検査があります。
その後建主さんによる完了検査を行い、引渡しとなります。
そしていよいよ引越しです。
新生活のスタートです。
住み始めて季節が一巡する頃、住まいは環境に馴染み始めます。
引き渡し一年後には、一度建物をチェックさせていただいています。
徐々にアフターメンテナンスが必要となってきます。

家づくりはこんな感じで流れていきます。
次回からそれぞれの段階を注意点を含めてお話したいと思います。
どのタイミングでどんなことをしていただくかを、もう少し具体的にみていきましょう。


(この項、つづく)


2022/02/01 佐藤 勤 記

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