建築家・相川直子+佐藤勤さんのブログ「形から家づくりを考える②4」
形から家づくりを考える②4
2021/04/28 更新
総工費の内訳知ってます?
総工費は大きく分けて工事費、付帯工事費、諸費用の3つからなります。
それではそれぞれの内容を見てみましょう。
工事費
建物本体の費用のことです。
床・壁・天井、浴室やキッチン、造作家具や収納、
電気や照明など建物本体のすべての部分の建材・部品の値段に施工費を合わせたものです。
1個いくらとカウントする建材もありますが、
多くは単価に長さや面積、容積などを掛けた金額です。
施工費も、一式いくらという表記もありますが、
施工者が何人で何日と数える人工(にんく)にその単価をかけて施工費を計算したりします。
ハウスメーカーの見積もりは「一式」表記で細目がないことが多いようです。
選択肢がそもそも多くないということもあるようですが、
そもそも表記できないという都合もあるようです。
建築設計事務所の設計による住まいの見積りでは
細目が表示されているのが普通です。
工法や外壁・屋根の仕上げのグレードや面積で金額に幅が大きくあります。
また、キッチンやお風呂などの住宅設備のグレードにも大きな幅があり価格も違ってきます。
決められてものから選ぶハウスメーカーの家づくりと違って、
建築設計事務所での家づくりはフルオーダーですので
細く希望を叶えていくことができます。
一般的に工事費は総工費の70〜80%が、目安と言われています。
残予算として2〜3割を確保するイメージです。
付帯工事費
建物本体以外の外構、塀、門、屋外電気工事などの工事費用を付帯工事費と言います。
さらにこれに、地盤が悪ければ地盤改良工事または杭工事の費用が発生しますし、
古屋があればその解体費などが付帯工事費として必要になります。
付帯工事費は総工費の15〜20%が目安になります。
あくまでも目安なので、
これに関しても内容によって大きく変わります。
例えば、立派な松を植えたりするとそれだけで100万200万はすぐにかかりますから……
最近は流行らないようですが……
諸経費
他に諸経費が5〜10%かかります。
5%といっても総工費である何千万円の5%ですから安くない金額です。
まだかかるのか、とお思いかもしれませんが
戸建て注文住宅で家づくりをしても、
マンション購入で住まいを取得しても、諸経費はかかります。
内訳としては、契約書類の印紙代、家屋の登記費用
ローンの保証料、ローン手数料、火災保険などなどなどです。
さらに
前出の土地取得時には土地代とは別に、
仲介業者に仲介手数料を払うことになります。
もちろんこれは中古マンションの取得の場合も同じで、
仲介業者に仲介手数料を払うことになります。
調べてみると一般的に
購入時の諸費用は、
新築一戸建てで価格の6〜10%
新築マンションで価格の3〜5%
ぐらい占めるようです。
それ以外にも、転居に伴い
せっかくなので新しい家具ということになればその費用がかかりまし、
こういうタイミングだから家電も買い換えましょうといえばそれもかかります。
引越し費用もかかりますが、
せっかくだからカーテンを新調しましょうなんてこともある。
引っ越したらこれから長くお付き合いするのだから、まずは近隣にご挨拶。
となればそのお品代もバカになりません。
念願だったケーブルテレビの加入費や町会費など、
予定外・想定外の出費が発生することもしばしばです。
怯えることはありませんが、こうしたことを念頭に置いて、
家づくりのお金をイメージすることが必要です。
お金の感じ見えてきたでしょうか?
みなさんの家づくりの参考になると良いのですが。
(この項、了)