建築家・相川直子+佐藤勤さんのブログ「住まいのスタイル・形から家づくりを考える」
住まいのスタイル・形から家づくりを考える
2021/04/17 更新
これまで2回に亘って家づくりの基本を考えてきました。
自分にあった家づくりの入口を見つけ、
家族のための住まいを、家族みんなで考え、
夢を持って納得のいく住まいづくりを
していただきたい……との話でした。
今回から数回に亘って
住まいのスタイル・形から「家づくり」を
考えたいと思います。
これから選択されるものがどういう物なのか
どんな背景を持つのかを
知っていただきたいからです。
そしてみなさんそれぞれにあった家づくりを
選択していただきたいのです。
まずは住まいの形からはじめて
お金の視点からの見方を
続いて工法・構造から考えてみましょう。
それではスタート!
住まいの形から考える
ご存知のように、住戸の形式には
「戸建て」と集合住宅などの「マンション」
があります。
二つを比べると、見た目以上に住むスタイルとして大きな違いがあります。
「戸建て住宅」は一軒一軒が
それぞれの敷地に立っています。
その世帯が生活するためのものが
1軒の中に一通り揃っています。
「マンション」は多くの人が
集まって住んでいます。
自分だけが使う専有スペースと
共同して使う共用スペースとで構成されます。
メリット、デメリットがそれぞれあります。
また、住戸の形式ではなく
注文方法の違いでタイプがあります。
オーダーでつくる「注文住宅」と
オーダーすることのない「分譲住宅」の
二つの住まいのタイプです。
0から設計するのと、完成品との違いですね。
分譲住宅は内覧会で実物が見られます。
住むイメージがわかりやすいですよね。
でも家を作るワクワク感はありませんし、
要望が実現されたものではありません。
満足感に差が出ます。
そして住まい取得の形としては
「新築」の住まいだけでなく
「中古」リフォームという形もあります。
最近の政府の住宅市場動向調査を見ると
毎年の住宅総数の68.3%が注文住宅で
23.3%が分譲戸建てです。
9割が「戸建て住宅」ということになります。
ちなみに、分譲マンションは9.3%と
販売時の派手な広告イメージからは
割合が少なく感じますね。
みなさんの多くが選択している
戸建て住宅をもう少し詳しくみてみましょう。
理想が実現する戸建て住宅
「マンション」と比べた時の、
「戸建て住宅」のメリットは何でしょう。
まずは設計自由度の高さです。
予算や敷地条件による制約がありますが、
理想に向かうのが魅力的です。
家族の人数、世帯数に合わせて始まる設計は
建主さんのそれぞれのライフスタイルを
反映することができます。
部屋のサイズや天井高さだって自由です。
また、一人当たりのスペースも大きく採れ、
四方の壁に窓をとり通風や採光ができます。
芝庭を作り、家庭菜園を楽しみ
BBQをし、ペットが飼えるのは
戸建てならでわです。
上下階にほかの住戸がありませんから、
騒音や漏水トラブルが発生しにくい
というのも魅力の一つでしょう。
では戸建て住宅のデメリットは何でしょう。
広々とした戸建て住宅は、同面積であれば
マンションより割高となることがあります。
また、住まいのメンテナンス・修繕などは
すべて自己責任で行わなくてはいけません。
他にも階段が平面的に面積を多く占め
しかもプランを規制することになります。
さらに上下階の移動は結構煩わしいものです。
平屋に住む多くの人がその事実を指摘します。
戸締りやセキュリティーも手間がかかり
同じくマンションより煩わしいことの一つとされています。
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