建築家・相川直子+佐藤勤さんのブログ「木匙を彫ってみることにした話 1」
木匙を彫ってみることにした話 1
2019/11/19 更新
持った時のしっくり感は素材や重さからくる。
そして、口に運んだ時の触覚も大切。
これは他の道具にはない感覚だ。
大いに、興味をひかれる点。
材料もそうだが、機能と形、質感とコスト。
カトラリーといえばシルバーが多い。
チッテリオデザインのイッタラとかなかなかいい。
ジョージ・ジャンセンや柳宗理のも魅力的だが。
それを思うと木匙には違和感を持つことが多い。
思うような形のものが見つからない。
口をつける部分が厚くて不快であったり、
柄の部分が持ちづらい形状とか、
頭が重すぎて使いづらいとか……
どれもそれなりに理由があるのだとは思う。
なので、いつか木匙を彫ってみたいと思っていた。
今年はなんだか三連休が多い。
なので、まとまった時間が取れると考えた。
そこで、積年の思い、木匙を彫ることにした。
インターネットで調べたり、本を購入したり、
すでに予習はできている。
早速ネットショップで材料を注文。
次に、頃合いの良い小刀を探して金物屋を渡り歩く。
僕が小学生の時に使ったいたような小刀だ。
二つ折りの刃渡り10センチほどのもの。
ところが文房具屋にも金物屋にもない。
「昔はあったんだけどもね」と皆答える。
いきなり、壁である。
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