建築家・相川直子+佐藤勤さんのブログ「悪魔のいたずら」
悪魔のいたずら
2019/11/07 更新
先日、「どんな子供だった?」と家人に問われた。
どんな子供だったか?
問われてすぐには思い出せない。
ついである時、実母に電話で問うたりしてみた。
忘れていた事実や感覚が蘇ってきた。
日頃、家人に掛けている言葉の数々が
ブーメランのように自分に刺さる音がするようだ。
幼年期は、とにかく触ってみたい子供だった。
どうなっているのか、とにかくなんでも触った。
この先どうなるか、どうなっているかがみたかった。
触って、分解して、機構学的な興味を満たしていた。
しかし……ほとんどが元に戻はらなかったように思う。
非常ボタン(勿論押すとどうなるかの確認)や
消火器(ピンを抜くとどう出るのか)をいじり、
目覚まし時計、ラジオ、トースター、アイロン、
壁紙、カーテン、トイレットペーパーをいじった。
後先考えなかったわけではない。
ないが、「後で戻す」と本気で思っていた。
思い出すのも恐ろしい、悪魔のいたずらである。
しかし母は、叱責する前に理由を聞いてくれた。
当時の母は今の自分より遥かに若かった。
立派である(が、結局……逆鱗に触れるのだが)。
なので、もう少し家人の可愛いらしい「いたずら」を
「大目に見るか」と思もえたきた。
それは「いたずら」ではなく、「学習」であると。