建築家・相川直子+佐藤勤さんのブログ「輝く未来のための家|534」
輝く未来のための家|534
2015/04/04 更新
ここのところ立て続けに二世帯住宅の設計に取り組んでいる。
これまでにもいくつか取り組み、それなりに経験を積んできた。
そして思う、
二世帯住宅の設計は、戸建住宅の設計とは一味も二味も違うと。
この3月にそのうちのひとつが竣工したのは先にお伝えした。
そこで思うのが、さほどコツらいしいものがないということだ。
こう取り組むと確実にうまくいくという感じが戸建住宅ほどにはない。
家族の現状や将来はそれぞれだし、
どんなに仲のよい親子でも、生活の仕方やお金の使い方は同じではない。
親子でも言外に真意が隠されていることが多い。
だからいつも以上に慎重になる。
建主さんからはより多くのお話をうかがい、まずは肯定しながら受け取る。
受け取ったものの意味を考え、それが今後どう変わっていくのかを考える。
おしたり、引いたり、なだめたり……
それでも
僕は、住宅設計をする人間はオプチミストであるべきだと思っている。
設計は、一見解決が難しい関連性のない問題の集合体に取り組むことでもある。
そして、最初から越えられない問題はないと、(時に無根拠に)信じて取り組むのだ。
問題を的確に掴めば、必ずよいアイディアが浮かび、必ず解決の緒がみつかる。
なぜなら「建主が家を建てる」という行為そのものが、
そもそもオプチミスティックな前提をもっているのだから……
明るい明日、輝かしい未来のために、家を建てるものだから。